日本語を通じた異文化コミュニケーションの新たな可能性
異文化コミュニケーションを促進するためには、言語の壁を乗り越える方法が必要です。その中で、日本語は日本国内での外国人とのコミュニケーションにおいて最強の「サポーター」となる可能性を秘めています。今回紹介する新刊『日本語の可能性を探る ―英語教育と日本語教育の視点から―』では、その具体的なアプローチが探求されています。
日本語の役割
私たちは一般的に、英語が話せないと異文化コミュニケーションが難しいと考えがちです。しかし、本書の著者である上村妙子教授は、英語に自信がない人々が日本語を使うことでコミュニケーションの第一歩を踏み出すことができると提唱しています。この考え方は、特に外国人の観光客が道に迷っている際などに、日本語を通じて助け合う契機となるでしょう。
2部構成でのアプローチ
本書は、英語教育と日本語教育の視点から日本語の可能性を探る2部構成となっています。第1部では、英語教育におけるナレッジを元に、日本語と英語の相互作用の重要性について論じています。ここでは、母語である日本語をうまく活用しながら、どのように英語表現へとつなげていくかを具体的に示しています。
第2部では「やさしい日本語」に焦点を当てています。多くの外国人にとってわかりやすい日本語を用いることで、それぞれの母語に通じる内容を伝えることができる方法を解説しています。このように、日本語は外国人だけでなく、子どもや高齢者、障害者を含む様々な人々とのコミュニケーションの手段ともなり得るのです。
ユニバーサルデザインとしての日本語
また、日本語をやさしく変換し活用することは、ユニバーサルデザインの一環として、多くの人々の生活を支える重要な要素であることが指摘されています。このように、日本語が持つ可能性は、単に異文化コミュニケーションにとどまらず、より広範に社会全体に貢献する可能性を持っています。
著者の思い
著者の上村教授は、日本語を母語とする人々が持つ最大の強みは「日本語」であるとし、この言語をうまく活用すれば異文化交流が円滑に進むと考えています。英語への自信がなくても、日本語を通じて外国人とのコミュニケーションが可能であることを知ってほしいとの強い願いが込められています。
読者へのメッセージ
異文化コミュニケーションに興味を持つ方、また日本語を用いた英語の指導に興味のある方は、ぜひこの一冊を手に取ってみてください。本書はあなたのコミュニケーションの可能性を広げる手助けになるでしょう。日本語の活用法が分かりやすく学べ、英語と日本語の関係に新しい視点を提供する貴重なガイドとして、読み進めてみる価値があります。
書籍情報
- - 書籍名: 日本語の可能性を探る ―英語教育と日本語教育の視点から―
- - 著者: 上村妙子
- - 出版社: パレード
- - 発売日: 2025年3月15日
- - ISBN: 978-4-86522-435-1
- - 定価: 990円 (本体900円+税10%)
- - 形式: 四六判、146ページ
- - 購入リンク: Amazon
この新刊が、異文化コミュニケーションの第一歩となることを願ってやみません。