恩田陸の新作『不連続の世界』がオーディオブック化
2025年10月21日、恩田陸の人気シリーズ「塚崎多聞」の第2作『不連続の世界』が、とうとうオーディオブックとして配信開始されました。この物語は、俳優の北村一輝が朗読を担当しており、彼の声によって新たな深みが加わった作品となっています。
謎めいた5篇の物語
『不連続の世界』は、塚崎多聞が日本中を旅する中で経験する5篇の奇妙な出来事を描いた短編集です。今回の作品は、前作『月の裏側』の続編であり、再び塚崎多聞が登場します。様々な場所で出会う不思議な体験を通じて、日常から逸脱した世界へと足を踏み入れる様子が描かれています。
恩田陸はこの作品を「トラベルミステリー」と呼び、旅に出た多聞の視点から、特異な出来事や人々との出会いを通じて、その土地の風土や文化に触れることで、生じる意外性を巧みに描写しています。各物語はそれぞれ独立しているものの、共通テーマとして「不条理」があり、多聞が背負う非日常が日常にどのように交じるのかが興味深いです。
北村一輝が織りなす朗読の魅力
朗読を担当する北村一輝は、多くの舞台や映画で活躍してきた俳優であり、その声は聴く人を物語の世界に惹き込みます。彼の朗読は、単なる言葉の再現を超え、物語の情景やキャラクターの魅力を一層引き立てる力を持っています。リスナーは、塚崎多聞の旅に同伴するかのような感覚で、物語を楽しむことができます。
著者の想い
著者・恩田陸は、塚崎多聞というキャラクターに特別な感情を抱いています。「彼は私の中で不思議な存在で、忘れた頃に姿を現します」と語る彼の言葉からは、キャラクターへの親しみが伝わってきます。多聞は受け身でアグレッシブではない性格であるため、どんなホラー的な出来事に遭遇しても、あっさりと受け止めるという特性を持っています。このキャラクターとの関わりが、彼にとっての特異な体験であることを示唆しています。
作品情報
オーディオブックで聴くことができる『不連続の世界』は、聴くことで新たな楽しみ方を体験できる作品です。妻と別居中の多聞が友人に誘われて「夜行列車で怪談をしながらうどんを食べに行く旅」に出る物語では、急にかかってくる無言電話や友人の言葉によって、物語が不穏な方向に進展していきます。
この他にも、恩田陸の代表作である『蜜蜂と遠雷』や『消滅VANISHING POINT』などもAudibleで順次配信予定。この機会に、恩田陸さんの独特な作品をオーディオブックで楽しんでみてはいかがでしょうか?