刑務所の食事の新しい形を描く『ムショラン三ツ星』
2023年10月20日、朝日新聞出版から発売されるノンフィクション書籍『めざせ!ムショラン三ツ星刑務所栄養士、今日も受刑者とクサくないメシ作ります』が、NHK土曜ドラマ「ムショラン三ツ星」として実写化されることが発表されました。本作品は、愛知県岡崎市に存在する岡崎医療刑務所で働く管理栄養士、黒栁桂子氏の実体験を基にしたエッセイです。
知られざる刑務所の現場
岡崎医療刑務所は、精神疾患を有する受刑者を収容する特異な医療刑務所であり、全国的にも希少です。著者の黒栁氏は、限られた予算と設備の中で、受刑者たちの食事を調整・指導してきました。一般的には「刑務所の食事」という言葉は、ネガティブなイメージが付きまとうものですが、本書ではその先入観を覆す視点が描かれています。
料理を通じてのコミュニケーション
黒栁氏は、「食べること」を通じて受刑者たちと如何に向き合うかを日々実践しており、その様子が丁寧に描かれています。受刑者たちと共に作り上げる食事、時折交わされる会話、そして「おいしい」という言葉――これらは、普段見ることが難しい“塀の中の日常”がどういったものであるかを伝えてくれるのです。
著者は、受刑者と共に「ムショラン三ツ星」を目指しているとのこと。税金を使って贅沢をさせるという批判もある中、黒栁氏は「うまい=贅沢」ではないと主張。「刑務所の中でも食事は最大の楽しみ」であり、より良い給食を提供するために受刑者と共に知恵を絞っているのです。この彼女の信念が、受刑者たちの心の更生へとつながることを信じています。
ドラマ版の内容について
ドラマ「ムショラン三ツ星」では、架空の男子刑務所を舞台にした管理栄養士の奮闘を描きます。ストーリーは、食事作りを通じてさまざまな背景を持った受刑者たちと向き合い、彼らの更生に寄与していく様子を描いています。社会派テーマでありながら、ユーモアと温かみが溢れる作品となることが期待されています。
このドラマは、2026年5月23日(土)より全5話でNHK総合で放送される予定です。出演者には小池栄子や中村蒼、玉置玲央など、多彩なキャストが名を連ねており、脚本には実力派が揃っています。さらに、番組は公式ホームページで同時・見逃し配信もあり、視聴者は様々な形で楽しむことができるでしょう。
結論
本書『めざせ!ムショラン三ツ星』と、ドラマ『ムショラン三ツ星』は、ただの食事ではなく、人生の中で不可欠な「食」を通じて描かれる人間模様や更生の物語です。この機会に、受刑者との関わりを通じて新たな視点を得るきっかけになれば幸いです。ぜひご注目ください。