桂南光が語る上方落語の魅力
2月16日(日)に国立文楽劇場で開催される「上方落語をきく会」。この日は、桂南光さんがトリを務める予定です。南光さんは、過去に数多くの落語会に参加し、特に「上方落語をきく会」には1971年から出演を続けているベテラン落語家です。
このイベントは、1965年から続いている上方落語の歴史ある会で、長年にわたりファンに愛されてきました。「1080分落語会」や「しごきの会」など、特別企画も行うことで知られています。今回の会で南光さんは、桂南天さん、林家菊丸さん、笑福亭鉄瓶さん、桂ちょうばさん、桂三実さん、そして桂三吾さんと共演し、各世代の実力派の噺家が揃います。
南光さんは、ラジオ番組「竹内弘一のなにがナンでも!」にも出演しており、朝日放送時代から多くのプログラムに掛け持ちで関わってきました。彼の芸歴はすでに55年を超え、73歳になる今もなお、落語に情熱を注いでいます。
落語家人生のスタート
南光さんは、実はもともと落語に関心があったわけではなく、ラジオを通じて桂小米さんの声を聞いて感銘を受けた結果、入門を決意しました。不安を抱えながらも、彼は先輩たちからさまざまな技術を学びながら苦労し続けました。その中で、55年間のキャリアを経て、今日に至っているのです。
南光さんは、落語の中で『納得できない落語は変えていく』という姿勢を持ち、例えば「抜け雀」などの伝統的な演目も自分流にアレンジして提供しています。その背景には、落語の舞台設定の時代に合わせるため、時には登場人物のセリフや舞台設定を大胆に変更する柔軟さがあるのです。このように、伝統を守りながらも新たな価値を生み出してきました。
伝説の落語会に出演する意義
今回の「上方落語をきく会」では、特に南光さんにとって歴史的な意義があります。自身が初めてこの会に出演したのは入門からわずか1年後のことで、落語家としてのスタート地点でもあります。彼には、この会に出演するたびに初心を思い出す特別な思いがあります。
イベントには孫弟子の桂天吾さんが登場し、南天さんや他の出演者たちと共に、3世代の落語家が集まります。これにより、南光一門の伝統と継承が体現され、彼自身も大きな誇りを抱いています。
「やはり、家族や弟子たちと共にステージに立つことは特別な思いがある」と南光さんは語ります。彼の言葉からは、落語の奥深さや人々の絆が感じられます。
「上方落語をきく会」の魅力
この落語会は、2141人全員が一つになって落語を楽しむ体験ができる数少ない場です。南光さんも、長年の経験を活かし、「サゲ」の部分でも新しい観点から楽しませる工夫をしており、当日のパフォーマンスに是非ご期待ください。
南光さんは、最終的に観客との一体感を重視しており、「お客さんが楽しんでいただけることが一番大切」とも言います。そのため、「自分がどれだけ忘れて何を言うか分からない」とユーモラスに語りつつも、高座での一瞬一瞬を大切にされています。
ABCラジオの生放送で同時に楽しむこともできるこの機会、忘れられないひとときを体験してください。桂南光さんが描く落語の世界を、皆様と共に堪能するその時を楽しみにしていることでしょう。