XR技術で新たなエンターテインメント市場形成
2026年7月28日、株式会社STYLYとKDDI株式会社は、XR(Extended Reality)技術を活用した新たなエンターテインメント市場「LBE(Location-Based Entertainment)」を形成するためのコンソーシアム「LBEC(Location-Based Experiences Consortium)」の発足を発表しました。これは、エンターテインメント業界に留まらず、不動産や鉄道、金融など多様な業種を含む25社が参加する、横断的なプロジェクトとなります。目指す目標は2030年までにLBECを通じて150億円の流通総額を実現することです。
LBE市場の成長と期待
LBE市場とは、「その場所でしかできない体験」を提供するエンターテインメントの新たな形態を指します。この市場は世界的に成長が見込まれており、2024年には54.7億ドルから2029年には153.3億ドルに達する予測が立てられています。米国の事例では、Sandbox VRが2億ドル以上の売上を記録し、Netflixも実験的な施設「Netflix House」を開設しています。
消費行動が物質から体験へとシフトする今、商業施設や映画館、ホテルなどといったリアルな場を持つ事業者にとって、LBEは新たな集客機会を創出する重要な手段となりつつあります。この新しい形のエンターテインメントが、既存施設の価値を高める手助けをするでしょう。
市場拡大の課題とLBECの役割
しかしながら、LBEコンテンツを導入する際の課題が存在します。各施設によって広さや設備状況が異なるため、個別に条件を確認する必要があるため、調整に多くのコストがかかります。これがLBE市場の拡大を妨げる要因となっています。このような課題に対処するため、LBECは映画産業のように共通ガイドラインを策定し、市場形成を促進することを目指しています。
LBECの具体的な取り組み
LBECは、ロケーションの環境条件やコンテンツ要件を可視化し、共通のガイドラインを設けることで、導入時の調整コストを削減します。これにより、LBEコンテンツ流通の信頼できる基盤を構築し、実現可能な導入事例を積み上げていきます。また、参画企業は多様なロケーションでどういったLBEコンテンツが展開可能かを検討し、実証を行いながら進めていきます。
最終的には、国内外のコンテンツ流通を促進し、日本をLBE市場の中心地として位置づけることを目指します。リアルな場所での体験価値を高めつつ、地域経済の活性化にも貢献する狙いです。2050年までに150億円相当の市場規模を目指すLBECに、今後も多くの企業が参加していくことが期待されています。
LBECへの期待
LBECの発足に関して、STYLYの執行役員・CMOである渡邊遼平氏は、LBE市場の構築には共通した基盤が不可欠であると述べています。また、KDDIのエキスパートである川本大功氏も、ルール作りの重要性を強調し、LBEコンテンツの流通拡大に向けた取り組みを進めていく旨を伝えました。
今後もLBECでは、業種を超えた企業の参画を募り、LBE市場の発展と健全な流通の促進に貢献していくことでしょう。これにより、日本が世界有数のLBEコンテンツ流通拠点へと成長していくことが期待されます。