デジタル時代にこそ体感したい昭和の記憶
近年、散歩のスタイルが大きく変化してきました。健康促進のためのウォーキングだけでなく、知識や歴史を学ぶための知的な散歩が注目を集めています。特に、昭和のレトロな建物を訪れる街歩きは、シニア世代だけでなく、デジタル化では味わえない「手触り」や「匂い」を求める若者にも支持されています。これを背景に、株式会社大洋図書は新刊『東京・昭和建築さんぽ』を2025年11月7日に発売します。この書籍は、昭和の建物を中心に東京がどのように成り立ち、変化してきたかを解説する、新たな街歩きガイドです。
昭和建築の魅力
昭和という60年に渡る歴史の中で、私たちはその時代のさまざまな出来事を経験しました。戦前・戦後、高度経済成長期、そしてバブルと崩壊。こうした激動を経て、東京の印象的な建物は、そのすべてを見てきた証拠とも言えます。本書では、上野、浅草、池袋といった街を巡り、魅力的な昭和建築の様子を写真とともに紹介しています。これにより読者は、昔の街の風情を感じながら、時間を超えた旅を楽しむことができるのです。
街の記憶・建物の物語
書籍には、庶民の知恵と建築家の思いが交錯する様々な建築を取り上げています。特に注目なのは、復興時代に生まれた「看板建築」です。高価な材木ではなくモルタルや銅板を用いて、家屋の外観を「看板」としてデザインされたこのスタイルは、多くの建築家や大工たちの技術の結晶です。また、公共のモダニズム建築や、高度経済成長期の全ガラス張りの「カーテンウォール」の登場など、建築の潮流も解説されており、時代の移り変わりを体感できます。
消えゆく昭和の建築
今、私たちが直面している大きな課題は、これらの貴重な建物が解体の危機にあることです。昭和から続く建物が次々と姿を消していく中、本書は単なる建物のガイドではなく、当時の人々の生活や文化、さらには建築の背後にある哲学をも伝えるものです。読者はこのガイドを手に、街を歩きながら歴史を感じ、消えゆく昭和の建築記憶を心に焼き付けることができるでしょう。
結論
『東京・昭和建築さんぽ』は、アナログな街歩きの旅を通じて、新たな視点で昭和の東京を再発見するための一冊です。歴史や文化、建築に興味がある方には必携のガイドブックとなっており、是非手に取って、昭和の記憶を感じ取っていただきたいと思います。
書籍情報
- - 書名:『東京・昭和建築さんぽ』
- - 発行・発売:大洋図書
- - 発売日:2025年11月7日
- - 定価:2,090円(税込)
- - 判型:A5判
- - 仕様:総160頁
- - 商品ページ:大洋図書公式サイト