『少女仮面』特別公演の魅力を探る
オフィス3〇〇が満を持して発表した特別公演『少女仮面』。この作品は1969年に唐十郎が書き下ろした戯曲で、岸田戯曲賞を受賞した偉大な作品です。早稲田小劇場での初演以来、数々の改訂と上演が行われ、今もなお多くの支持を集めています。今回の公演では、渡辺えりの新演出により、さらに新たな息吹を吹き込まれた『少女仮面』が観客を魅了します。
日替わりゲストの豪華キャスト
特に注目すべきは、豪華な日替わりゲストキャストです。竹中直人、尾上松也、中村獅童といった大物俳優たちがそれぞれの公演日に出演します。これにより、毎回異なるパフォーマンスが楽しめるのがこの公演の特長です。キャストは以下のように決定しています:
- - 6月13日:竹中直人
- - 6月14日:尾上松也
- - 6月15日:中村獅童
- - 6月16日:稲荷卓央
- - 6月18日〜20日:和田琢磨
- - 6月21日:安奈 淳
また、トリプルキャストで出演が予定されている黒島結菜、夢乃、鈴木楓加の「貝」役もそれぞれの日程が決定しており、観客は多彩な演技との出会いが期待されます。アンサンブルキャストも個性豊かで、観客に強い印象を与えることでしょう。
物語の舞台
ストーリーは、東京都内の地下喫茶「肉体」を舞台に展開されます。この喫茶店を経営するのは、宝塚のスター春日野八千代。彼は、未だ完成していない舞台の稽古に明け暮れていますが、同時に過去の秘密と向き合う運命にあります。現代に生きる少女たちと、戦争による傷跡を抱える人々との交錯が、緊迫感のあるドラマを生み出しています。
物語の中で春日野は、自称16歳の少女緑丘貝を「永遠の処女」キャサリン役に起用し、停滞していた作品が動き出すかに見えます。しかし、東京大空襲による影響や、愛の喪失に苦しむキャラクターたちの葛藤は、次第に春日野自らの過去を暴露することになります。この作品では、戦時中の痛みや心理的な苦悩が根底にあり、