舞台照明の未来技術
2025-09-10 16:36:31

戦前の革新的技術が舞台照明歴史を変える!丸茂電機の調光装置が未来技術遺産に登録

戦前の革新的技術が舞台照明歴史を変える!



舞台芸術の世界に新たな光が差し込んだ。独立行政法人国立科学博物館によると、丸茂電機株式会社が戦前に製造した舞台照明用の調光装置3件が、初めて舞台芸術分野における「未来技術遺産」として登録された。これは、舞台照明用の産業機器が評価された初めてのケースであり、舞台芸術の重要な歴史の一部としての地位を確立することになった。

登録された装置とは


今回登録されたのは、以下の3つの調光装置である。

1. U 型多分岐式調光変圧器(東京宝塚劇場納入)
2. U 型多分岐式調光変圧器と調光操作盤(京都弥栄会館納入)
3. CR型変圧器式調光装置(京都弥栄会館納入)

これらの装置は、いずれも1930年代に製造されたもので、舞台照明の進化に大きな影響を与えた重要な機器である。特に、U 型多分岐式調光変圧器は、1934年に開場した東京宝塚劇場の基幹技術であり、国内で初めて採用された多彩な機能をもつ調光装置である。

U 型多分岐式調光変圧器の革新性


U 型多分岐式調光変圧器は、舞台照明の操作を一段と便利にした画期的な技術である。従来の抵抗器式からの大きな変更点は、複数の端子を設けることで電圧を分割し、一括での調光が可能になったことである。この革新により、電力の無駄を最小限に抑えつつ、様々な照明効果を創出できるようになった。この装置は「オートトランス式調光装置」として、国内で長らく舞台照明の主流となった。

東京宝塚劇場とのつながり


東京宝塚劇場は、1934年の開場以来、舞台技術の進化の象徴的存在となっている。この劇場は、欧米の劇場からの影響を受けつつ、日本の舞台芸術の基盤を築くために設計され、多分岐式調光変圧器の導入により、舞台照明の操作室を客席側に設置するという大胆な試みがなされた。これによって、観客が舞台を見ながらの照明操作が実現し、より視覚的に優れた演出が可能となった。

弥栄会館の歴史的技術


次に、U 型多分岐式調光変圧器と調光操作盤が納入された京都の弥栄会館では、これもまた重要な舞台照明の機器である。この装置は手動と電動の両方に対応しており、当時の技術を知る上で貴重な存在だ。これらは、今後の日本の舞台照明の発展に寄与してきた。

CR 型変圧器式調光装置


さらに、CR型変圧器式調光装置は、客席の照明用として特に重要で、まるで目に見えないスムーズな光の変化を可能にし、長時間にわたって任意の明暗を維持することができた。この技術は、小さな劇場から大きなホールまで、幅広く利用された。

まとめ


国立科学博物館が進める未来技術遺産の登録を通じて、舞台照明の技術がどのように進化し、舞台芸術に寄与してきたのかが再評価されている。丸茂電機のこれらの機器は、今後も文化財として大切に保存されるべき重要な歴史的遺産である。舞台芸術の未来を考える上で、その足元にある技術の存在を忘れてはならない。

この重要な登録は、全ての舞台芸術愛好者にとっても嬉しいニュースであり、これからの日本の舞台技術の歴史を楽しみながら見守ることができるだろう。


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