心に響く茶道の美しさを描いた『好日日記』が文庫化!
本日、11月28日、茶道に関する感動のエッセイ『日日是好日』の続編『好日日記』が新潮文庫より発売されました。本書は著者でエッセイストの森下典子さんが、25年間の茶道の稽古を通して感じた数々の出来事や美しい瞬間を纏めた作品です。前作『日日是好日』は、黒木華や樹木希林、多部未華子などの豪華キャストで映画化され、70万部を超えるベストセラーとなっただけに、続編に対する期待も高まっていました。
四季を通じた一瞬の美しさ
『好日日記』では、茶道に根付いた二十四節気に焦点を当て、四季折々の瞬間の美しさが描かれています。たとえば、「立春」には梅の香りが漂い始め、「清明」では花吹雪が舞います。これらの情景は、単なる春夏秋冬の分類では見過ごされてしまう、ほんの一瞬の美しさに注目しています。著者はその美しさを一年を通して記録しており、特に冬の章「小寒」では新年を迎える時期にぴったりの内容となっています。ページをめくるごとに移り変わる季節を感じ取れる作品です。
さらに、森下氏が手掛けたカバー装画や挿絵にも目を奪われます。イラストは本書の内容をさらに引き立て、茶道を通じての深い思索や感動を視覚的にも楽しむことができます。
大幅な加筆・増補
本作は、2018年に単行本として発売されましたが、今回の文庫化に際しては大幅に加筆されています。特に新たに追加された「利休忌」や「紅葉の森」のパートは、読者にとって新しい発見を提供することでしょう。新たに増補されたイラストも含み、まさに完全版としての文庫が誕生しました。
小林聡美が執筆する解説
文庫の解説は、俳優の小林聡美さんが担当しています。前作の解説は落語家の柳家小三治さんによるものでしたが、小林さんは小三治さんから『日日是好日』を勧められた過去があります。解説では、森下氏の作品を通じて、茶道の深い世界へと進んでいく様子が伝えられています。
小林さんは、「道」と名のつくお稽古事の本質についても言及し、自身がピアノを学ぶ経験を交えて、学びの深さや継続性について語っています。
書店での2面販売台
新潮社は『日日是好日』と『好日日記』の2冊を並べる「2面販売台」を書店に設置し、両書が並んで展開されます。この試みは、両作品を通じて茶道の魅力を広く伝えるものであり、多くの読者にとって貴重な体験となることでしょう。
著者の紹介
森下典子さんは1956年、神奈川県に生まれました。日本女子大学卒業後、エッセイストとしてのキャリアを歩み、やがて『日日是好日』が映画化されました。その後も、続編『好日日記』や『好日絵巻』といった書籍を発表し、国内外で高い評価を受けています。また、2018年には第1回日伊ことばの架け橋賞を受賞するなど、多方面で活動しています。
今後も『好日日記』を通じて、茶道の魅力やその背後にある深い思索に触れることができるでしょう。ぜひ手に取って、その美しさに酔いしれてみてはいかがでしょうか。