愛知の不思議が詰まった『愛知怪談』、地元ゆかりの著者陣が集結

愛知の怪奇が息づく『愛知怪談』

2025年4月30日、株式会社竹書房から発売される『愛知怪談』は、愛知県に根ざす多様な怪談を収めた一冊です。著者として、島田尚幸、赤井千晴、岩里藁人、内浦有美、加上鈴子、御於紗馬の6人が名を連ね、地域の歴史や文化に刻まれた恐怖の物語を余すところなく紹介しています。

地元の歴史を照らし出す怪談

本書では、愛知県内の各地域での怪奇現象や心霊スポットに関する話が58話収録されています。豊橋市での「本坂峠の口裂け女」や、名古屋市の「八事霊園の幽霊の墓」、さらに新城市の「五人櫃」など、地元に根くも深い物語が多様な視点から描かれています。特に、地域ごとの特色を持った怪談が数多く登場し、それぞれの文化や歴史を感じることができます。

多彩な著者陣による作品

本書を手がけた著者たちのバックグラウンドも多様なもので、妖怪文化研究家でありあいち妖怪保存会の共同代表、自ら怪異を描く実力派作家、地域文化の伝承者など、各々が愛知地域と深く結びついた存在です。彼らの個性が反映された物語は、読む者に新たな視点と恐れをもたらします。

ご当地怪談の真価

本書の魅力の一つは、怪談の背後にある文化的な因果や地域の歴史を掘り下げることで見えてくる深層にあります。たとえば、町名や橋の名前に語られる因果関係を考えれば、単なるホラーとしての怪談以上の意味を持つことが理解できるでしょう。著者陣が丹念に綴った物語は、愛知の歴史を直視するための新たなタッチポイントを提供します。このような地域の特性を体感しながら、恐怖と興奮を共に楽しめる姿勢は、本書の大きな特徴です。