高橋安幸氏のノンフィクションが受賞!
2024年7月5日、集英社から発売された高橋安幸氏の著書『暗躍の球史根本陸夫が動いた時代』が第35回ミズノスポーツライター賞の優秀賞に輝きました。この受賞は、根本陸夫というプロ野球界の伝説的存在の実像に迫るノンフィクションを通じて、スポーツライターとしての高橋氏の功績が評価された結果です。
根本陸夫の再評価
本書は、プロ野球の裏側で活躍していた根本陸夫に焦点を当てています。彼は広島、西武、そしてダイエー(現・ソフトバンク)で監督を務め、特に西武とダイエーでゼネラルマネージャーとしてその手腕を発揮しました。彼の再評価をテーマにしている本作では、世間を驚かせたドラフト戦略や大型トレード、さらにはルールのグレーゾーンを無視した手法についても言及しています。これにより、彼がまるで魔法使いのように見られている一方で、彼の現実的な一面、さらにはネガティブな側面も含めて深く探ります。
魅力的なエピソードの数々
根本の手腕は、弱小球団だった西武ライオンズを強豪に育て上げたことや、福岡ダイエーホークスでの“世界の王貞治”を後任監督に招いた一連のオペレーションに見られます。彼の名を冠した“根本マジック”と呼ばれるその業績は、果たしてどれほどの真実に基づいているのか。新たに明らかにされた証言を通じて、その真実が鮮やかに浮かび上がります。特に、根本と親しい関係にあった浦田直治や黒田正宏といった側近たちの証言は見逃せません。また、プロ野球界の著名人たちの発言を交えながら、彼の成功と失敗、名声と挫折についても掘り下げています。
著者の高橋安幸氏とは
高橋安幸氏は1965年生まれ、新潟県出身の優れたベースボールライターです。日本大学芸術学部を卒業後、出版社での経験を経てフリーランスとして活動を開始しました。彼は、昭和から平成にかけてのプロ野球に関する取材・執筆を精力的に行い、数多くの著書を残しています。特に、根本陸夫に関する作品は彼の代表作の一つであり、プロ野球の新たな視座を提供しています。
ミズノスポーツライター賞について
ミズノスポーツライター賞は公益財団法人ミズノスポーツ振興財団が主催し、1990年度から毎年開催されています。この賞はスポーツライターの素晴らしい業績を顕彰し、スポーツ文化の発展に寄与することを目的としています。今回の受賞は、今後の若手スポーツライターたちにとっても励みとなることでしょう。
高橋氏の『暗躍の球史根本陸夫が動いた時代』は、単なる野球の書籍にとどまらず、プロ野球界の奥深い物語を知る貴重な作品です。ぜひ、多くの方に手に取っていただきたい一冊です。