新刊『論争大坂の陣』のご紹介
2025年10月22日、新潮社から笠谷和比古氏の新著『論争大坂の陣』が発売されました。本書は、関ヶ原合戦から続く豊臣家の運命に焦点を当て、歴史の常識に挑戦する内容となっています。
歴史の再検証
著者は、豊臣秀頼が西軍敗退後も想像以上の力を保っていたことを指摘しています。また、戦国最期の大激戦であった大坂の陣を巡る多くの疑問に対して、16の論点を提示しながら深く掘り下げていきます。「西軍敗戦で豊臣家は本当に消えたのか?」という問いから始まり、「家康は本当に豊臣の滅亡を狙っていたのか?」など、様々な観点から歴史の真実に迫ります。
目次から垣間見る歴史の深み
本書は以下の章立てで構成されています。1章からの進行で、政治的背景や、武将たちの人物像、さらには大阪方の戦略についても丁寧に分析しています。
- - 第一章 関ヶ原合戦後の政治世界
- - 第二章 徳川家康の将軍任官
- - 第三章 関ヶ原合戦後における豊臣家と大坂の栄華
- - 第四章 徳川秀忠の将軍就任
- - 第五章 江戸城築造と豊臣家
- - 第六章 二重公儀体制
- - 第七章 開戦危機
- - 第八章 二条城会見と三ヶ条誓詞
- - 第九章 大坂冬の陣
- - 第十章 大坂夏の陣
各章では、歴史家が注目したいポイントを厳選し、誰もが知りたい大坂の陣の真正面から新たな視点を提供しています。
学術的背景と著者からのメッセージ
著者の笠谷和比古氏は、日本の歴史学を代表する第一人者であり、『論争 関ヶ原合戦』や『江戸御留守居役』などの著書でも知られています。彼は読者に対し、本書が「戦国の激動の時代」を新たに感じ取るきっかけとなることを望んでいると語っています。
歴史観の変革へ
本書を通じて、歴史書とはただの事実の羅列ではないことが鮮明に示されています。著者は、従来の見解を覆す証拠を提示しつつ、歴史の解釈がどのように変わりうるかを議論します。特に、「方広寺鐘銘問題」に対する視点が曖昧なままであったことも指摘され、これこそが読者にとっても興味深い論点となるでしょう。
読者へのおすすめ
『論争大坂の陣』は、歴史に興味があるすべての人々にとって必読の書です。従来の教科書では味わえない新たな見解を提供し、戦国時代の奥深さに気づかせてくれます。
定価は1,650円(税込)で、ISBNコードは978-4-10-603937-9。興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。この一冊は、あなたの歴史の見方を変えるかもしれません。