ファミリーマートが知的障がい者向け認知発達支援プログラムを導入

ファミリーマートが挑む新たな支援の形

ファミリーマートが知的障がいのある農場社員に向けて、認知発達支援プログラム「夢育て1.0」を導入した。この取り組みは、ダイバーシティ＆インクルージョンのさらなる推進を目指しており、同社の障がい者活躍の一環として位置づけられている。

導入背景と目的

このプログラムは株式会社夢育てが提供するもので、「ノウフク・アワード2023チャレンジ賞」を受賞した実績を持つ。気になるポイントは、ファミリーマートが日本で初めて導入する企業であるということだ。これにより、知的障がいを持つ社員一人ひとりが持つ潜在能力を引き出し、自立した働き方が可能になることが期待されている。

千葉県流山市で働く約50名の知的障がい者は、有機野菜の栽培に従事しており、その中で「夢育て1.0」が役立つのだ。プログラム導入の目的は、社員ができる作業の幅を広げたり、高度なチームワークを意識した作業へとステップアップすることで、豊かなキャリア形成を支援することにある。

プログラム内容

「夢育て1.0」では、認知発達教育のフォイヤーシュタインメソッドや、身体の動かし方を学ぶブレイン・ジム、主体性を育成するための時間を設ける。「夢語り」と呼ばれるこの活動では、社員が自らの夢や希望について語ることで、主体性を育むことを目指している。具体的には、以下のような内容がプログラムに含まれる。

1. 座学：フォイヤーシュタイン理論に基づいた教材を使用し、認知発達について学ぶ。
2. 実技：ブレイン・ジムを通じて体の使い方を再学習。
3. 対話：職場での夢や希望を語る時間（夢語り）を設ける。

感想と期待

プログラムは2025年10月から始まり、約1年にわたって実施される。また、開始前には認知アセスメントが行われ、プログラム終了後にも再度アセスメントが行われる。これによって、認知機能の向上を定量的に測定し、その成果を確認することができる。

株式会社夢育ての代表取締役である前川哲弥氏は、「この取り組みは企業の障がい者雇用のあり方に新たな可能性を提示している」と語り、その成果を期待している。また、兵庫県立大学の豊田正博客員教授も、認知発達課題が複数の認知機能を段階的に活用する仕組みを説明し、農作業との相乗効果を強調している。