若者の支援は本当に効果的か?『回復という毒』が描く真実とは
最近、若者たちを取り巻く問題として「トー横キッズ」や「オーバードーズ」が注目されています。特に、若者の薬物依存についての話題は日々増加しており、誰もがその解決策を模索しています。そんな中で、風間暁氏の新刊『「回復」という毒——支援に埋め込まれた構造的暴力』が9月2日に登場します。
風間氏は自らの体験をもとに、薬物依存から薬物支援の現状に至るまでをリアルに語ります。幼少期からの虐待、思春期における非行と薬物乱用、矯正施設や精神病院への入院といった逆境を経て、彼女は今、若者支援と依存症啓発活動に身を投じています。彼女自身がサバイバーであるからこそ、彼女の言葉や視点には重さがあります。
風間氏は、厚生労働省の依存症啓発事業「こころCafe」やこども家庭庁の専門委員会など、さまざまな活動を通じて若者たちの支援に貢献しています。また、NHKのEテレの福祉番組『toi-toi』にもレギュラー出演し、当事者の視点から若者たちの現実を広く伝えています。しかし、その裏には彼女自身の過去の痛みがあります。薬物依存症を克服する中で、彼女は自身が「加害者家族」、つまり父が飲酒運転による死亡事故の加害者であることにも向き合っています。
彼女の本書では、精神科医療や児童福祉が本来支援の手を差し伸べるはずの領域で、実はそれが「毒」となりうることを明らかにします。彼女は自らのカルテを開示請求して得た787枚の情報をもとに、かつて自分が受けた支援がいかに「回復」を妨げたのかを探ります。そして、彼女は問いかけます。「本当に本人のためになる支援とは何か?」
多くの若者は、なぜ薬物に頼るのか。そして、なぜ大人を信じられなくなり、「助けて」と言えないのか。このような疑問に、風間氏自身の経験が答えを持ちます。彼女の著書は、単なる事実を伝えるだけでなく、私たちが見落としがちな問題点を鋭く突きつける挑戦状でもあります。特に、当事者としての視点から語られる内容は、一般の読者にとっても衝撃を与えることでしょう。
風間暁氏について
著者の風間暁氏は、認定特定非営利活動法人ASKの理事であり、一般社団法人Voidの理事兼ソーシャルワーカーとしても活動しています。また、北里大学医療衛生学部の非常勤教員を務め、政策への参加を通じて若者支援と精神保健の分野での進展を図っています。彼女が参加している initiativesは、社会的な問題に立ち向かう姿勢そのものであり、その活動は多方面に広がっています。
本書は、当事者の視点から執筆されているため、資料としての価値も持ちつつ、読み物としても楽しめます。特に、信田さよ子氏からの推薦文では、「当事者が捨て身で投下した爆弾のような一冊」と紹介されています。
本書がいかに多くの人々に届き、多くの人を救う手助けとなるのか、ぜひ手に取って確かめてみてください。』(発売日:2026年9月2日、定価:2420円(税込)、ISBN:978-4-535-98545-2)