神田外語大学卒業生が翻訳デビュー
神田外語大学イベロアメリカ言語学科の卒業生、五十嵐絢音さんが、在学中に取り組んだ卒業研究を通じてスペイン語文学の翻訳デビューを果たしました。彼女が手掛けた新しい書籍のタイトルは、アンドレア・アブレウ作の『両膝を怪我したわたしの聖女』で、翻訳家・村岡直子氏との共訳によるものです。この書籍は、2025年5月14日に国書刊行会から発売される予定です。
留学を経ての挑戦
五十嵐さんは、在学中にスペインのカナリア諸島に留学し、そこで現地の大学で学びながら、本書と出会いました。カナリア諸島特有の言語や文化に深く触れた経験が、彼女の研究と翻訳に大いに役立ったと言います。在学中の卒業研究では、全集の試訳とともに、カナリア方言の特徴を分析しました。この経験が、プロの翻訳者との共訳に繋がり、一般書籍としての出版を実現することになりました。
書籍の魅力
『両膝を怪我したわたしの聖女』は、少女たちの激しい友情を描いた作品です。特にカナリア方言の生き生きとした口語体で表現されており、その独特な文体が読者を惹きつけます。本作は、スペイン国内で6万6000部以上を売り上げ、18ヶ国語に翻訳されるなど、大きな話題となっています。
結果としての成果
五十嵐さんは、この共訳を通じて、大学での学びが実を結ぶ実践的な形を目の当たりにしました。神田外語大学のスペイン語専攻は、言語教育だけでなく、地域文化への深い理解を育むプログラムを提供しています。このように、異文化理解や地域研究を通じて国際的な視野を持つ人材を育成することが、五十嵐さんの成功の背景にあるのです。
これからの展望
五十嵐絢音さんの今後の活動にも期待が寄せられています。彼女のような新進気鋭の翻訳者が次々と登場することで、スペイン語文学がますます日本で広がりを見せることでしょう。言語の多様性と文化を尊重しながら、これからも新しい翻訳作品を楽しみにしたいですね。
書籍情報
- - 書名:『両膝を怪我したわたしの聖女』
- - 出版社:国書刊行会
- - 発売日:2025年5月14日
- - ISBN:978-4336077714
- - 判型・ページ数:四六判・208ページ
- - 定価:3,190円(本体2,900円)
作者情報
スペイン・カナリア諸島出身の作家で、若い世代の作家として注目されています。
経験豊富な翻訳者で、多数の著作を手掛けています。
神田外語大学を卒業し、国際的な視野を持つ若手の翻訳者です。
この新しい翻訳作品の刊行が、読者や文学界でどのように受け入れられるのか、これからの動向にも要注目です。