河野龍太郎『日本経済の死角』が新書月間ベストセラーを獲得！

2025年2月に刊行された河野龍太郎の著書『日本経済の死角─収奪的システムを解き明かす』が、話題を呼んでいます。特に2025年の4月と5月には、丸善ジュンク堂書店の「新書月間ベストセラー」で2ヶ月連続第1位を獲得しました。この成功は、同書の刊行からわずか4か月で累計発行部数が61,000部を突破したことからも明らかです。

著者の河野龍太郎氏は、日本のトップエコノミストとして知られています。彼の経歴は、横浜国立大学卒業後、住友銀行を経て、大和投資顧問や第一生命経済研究所での経験を経て、おおくが日本の主要な金融機関でのチーフエコノミストなどを務め、現在では東京大学でも研究を行っています。彼の研究や著作は、政府やメディアからも高く評価されており、特に日経ヴェリタスでは多くの受賞歴を持つなど、その実績は輝かしいものです。

本書の特徴と反響

本書の核心部分は、実質賃金と生産性についての衝撃的なグラフにあります。1998年から2023年にかけてのデータを基に、時間当たりの生産性が3割上昇したにもかかわらず、実質賃金は横ばいであることが明らかになっています。このデータは、「生産性が上がらなければ賃金は上がらない」という常識が誤解である可能性を示唆しています。

さらに、本書は実質賃金の低迷について、さまざまな国際比較や歴史的分析を交えて検証しています。これにより、日本経済が抱える深い問題へと迫る一冊が完成しました。

読者からは、「日々の違和感の正体が分かった」「経済に関する議論の出発点になる本」「多くの人にとって納得できる内容」など、共感の声が多く寄せられています。

書籍の内容

本書は全7章からなり、各章で日本経済を取り巻く問題点に対して詳細な分析を行っています。主な内容は以下の通りです。
1. 生産性と実質賃金の関係: より深い経済システムの理解を促すための初めての分析。
2. コーポレートガバナンス改革の弊害: 大企業がなぜ実質賃金引き上げに消極的なのかを考える。
3. 労働市場の変化: 労働環境の変化と賃金への影響について掘り下げます。
4. 企業価値と投資: 企業が抱える収奪的な構造を解明。
5. 国際活力の評価: 日本が置かれた国際的地位とその変化を捉えます。

書籍を通じて意識されるのは、ただ単に経済の数字や政策を俯瞰するのではなく、人々との生活、労働市場、さらには企業の経営戦略など多岐にわたる問題がどのように絡み合っているのかという点です。