心のケアを学べる絵本シリーズ「こころをまもる絵本」
4月2日に各書店で発売される「こころをまもる絵本」シリーズは、かわいい動物たちを主人公に、心的外傷後ストレス症(PTSD)やトラウマの症状、対処法を子どもたちにわかりやすく伝える全5巻からなる絵本です。本書は、心に傷を負った子どもたちに寄り添う内容となっており、トラウマやストレスに関する理解を深める手助けをします。
トラウマとその影響
トラウマは自然災害や事故、虐待などによって引き起こされる心理的な痛みであり、日常のストレスとは異なり、さまざまな症状を引き起こします。記憶が再体験される再体験症状、トラウマを避ける回避症状、過剰な警戒心や激しい怒りを示す過覚醒症状などが現れることがあります。また、このシリーズでは、トラウマによって起こるパニック発作や解離症状についても取り上げています。
各巻の内容紹介
1巻『トラウマこわい夢ばかり見るタイガ』では、こわい夢に悩むトラまでのストーリーが描かれ、子どもたちが共感できる問題を描いています。
2巻『パニック症心臓がバクバクしてしまうパン』では、突然のパニック発作に苦しむパンが登場し、少しずつその状況を理解し克服していく様子が描かれています。
3巻『解離症記憶がとんでしまうネズコ』は、記憶が断片化する解離症状を持つネズコが主人公となり、自分自身を見つめ直す旅を描きます。
4巻『衝動行為イライラが止まらないハリー』では、イライラしがちなハリーが自らの感情と向き合い、解決策を見出す過程が紹介されています。
5巻『アディクションゲームにハマりすぎたウッキー』では、過剰なゲームへの依存によるアディクションに悩むウッキーが、自分自身を取り戻すための struggleを描きます。
読むことで得られる安心感
この本を読むことで、子どもたちは「自分だけではない」と気づくことができ、安心感を得られるでしょう。著者の大江美佐里氏は、トラウマに関する専門家であり、子どもたちの心のケアに取り組んでいます。本書は、家庭での対話を促進し、理解を深めるためのサポートをします。子どもと一緒に読むことで、当てはまる症状について話し合うきっかけとなるでしょう。
著者とイラスト
シリーズ全体を通じて、著者大江美佐里氏は、久留米大学でトラウマに関する研究を専門とし、他にも思春期精神医学や認知行動療法の研究を行っています。また、石田哲也氏は最終巻を担当し、臨床心理士としてアディクションや不眠についての専門的知識を共有しています。イラストは、ダックスが可愛らしい表現を通じて子どもたちの心に寄り添います。
書誌情報
「こころをまもる絵本シリーズ」は、各巻本体2,200円(税込)で、絵本の魅力と深いメッセージが詰まっています。全国の書店でぜひ手に取ってみてください。心を守るための第一歩となるでしょう。