中山七里の最新作『祝祭のハングマン』が5月8日に発売!
文藝春秋から中山七里氏の新作『祝祭のハングマン』が、今月の5月8日に文春文庫として発売されます。本作は、彼の人気系列「ハングマン」の新たな一作にあたります。この著者は継続的に新作を発表しており、まさに“驚異の仕事人”とも言えるでしょう。
スリリングなあらすじ
本作の主人公は警視庁捜査一課の瑠衣。物語は彼女が死亡事故を単なる事故として見過ごさず、事件の真相を追求するところから始まります。しかし、進むにつれて、瑠衣の捜査は予想外の方向へ展開していきます。なんと、第二の不審死が発生し、その被害者は瑠衣の父が務める建設会社の従業員たち。この状況がさらに深刻になる中で、瑠衣はついに自身の父親にも疑いを抱き始めるのです。
この物語は、法律で裁けない犯罪者に対して裁きを下す「ハングマン」なる影のヒーローを描いています。彼の行動には、一部の人々にとっては希望、そして他の人々にとっては恐怖の象徴としての意味を持つでしょう。読者の想像を超える展開が詰まったこの作品、あなたはどんな結末を迎えるのでしょうか。
中山七里の独自の視点
著者である中山七里氏は、作品について「現代版必殺仕事人」を意識して描くことになったと語っています。この作品は、特に現代社会で顕在化している「上級国民」という言葉からも示唆されるように、法律の盲点や不平等を題材にしています。罪を犯しても許される者と、些細なことで厳罰を受ける者との間に生まれる著しい格差を痛感し、本作を通じて現代社会の光と影を浮き彫りにすることを目指しているとのこと。
中山氏は、そうした難しいテーマを扱いつつも、エンターテイメントとして楽しめる作品に仕上げたのです。彼自身、1作目が文庫化されるということに非常に感慨深さを抱いている様子で、読者に向けてシリーズの続編も楽しみにしてほしいとエールを送っています。
解説者、中江有里のコメント
本作の解説者である中江有里氏は、作品の中心である「ハングマン」が、理不尽な社会の中で生まれた影の式表現であると述べています。理不尽さが巷に溢れる現在、まだ行動を起こせないハングマンが存在しているのかもしれません。もしかすると、この記事を読んでいるあなたの中にもその影響があるのかもしれません。そしてこの作品を通じて、衝撃の展開に引き込まれることでしょう。
装画担当、有村佳奈が語る
さらには、装画を担当したイラストレーターの有村佳奈氏も、物語を理解した上で描く重要性を強調しています。彼女は、物語の特性を的確に捉えた装画によって読者の興味を掻き立てたいと考えており、特に『祝祭のハングマン』のカバー絵製作にも深く関わりました。彼女は、読者がどこか不気味さを感じる一枚を意識してデザインしたとのこと。
このように、全ての要素が融合し、一つの衝撃作が生まれました。『祝祭のハングマン』の発売を、ぜひお見逃しなく!
書誌情報
- - 書名:祝祭のハングマン
- - 著者:中山七里
- - 判型:文庫判
- - 発売日:2025年5月8日
- - 定価:803円(税込)
- - ISBN:978-4-16-792360-0
- - 書誌URL:文藝春秋