現代アートで綴る日本の美意識を探る展覧会「和を以て景を綴る」

日本の伝統美を再考する現代アートの展覧会

2025年3月14日から4月5日まで、東京・麻布のオルタナティヴ・スペースWALL_alternativeで、展覧会「和を以て景を綴る」が開催されます。この展覧会では、日本の伝統的な美意識を背景にした作品を制作する5名の現代アーティストが参加し、時代に応じた“日本の美意識”の変化について問いかけます。

参加アーティストには、兼子真一、野田ジャスミン、ハシグチリンタロウ、長谷川寛示、森夕香が名を連ね、それぞれが絵画、書、彫刻、陶芸という多様な分野で新たな表現を探求しています。彼らの作品を通じて、現代においてどのように日本の美が再解釈され、表現されているのかを体感できます。

展覧会の背景とコンセプト

本展は、京都を拠点にして活動するインディペンデント・キュレーター、渡邊賢太郎と共同で企画されており、昨年行われた「MEET YOUR ART FESTIVAL 2024」の一環としての進化版とも言える形で開催されています。今回の展覧会では、麻布という土地に根付いた日本の美意識のの変遷についても探求し、地域の文化的背景とアートが融合する場を創出します。

麻布地区は、江戸時代から武士が住まう上町として知られ、近代以降には外国文化の影響を受け、日本固有の精神性と西洋的な美意識が交錯する地域です。この土地の歴史的背景が、本展におけるアートの核心となっています。

企画展のプログラム

展覧会初日の3月14日（金）には、オープニングパーティが開催されるほか、アートイベント「GAIEN-NISHI ART WEEKEND」の拠点としても機能します。この期間中、出展アーティストとのトークセッションや、14組のアーティストによる映像作品の上映プログラムなど、様々なイベントが予定されています。

トークセッションでは、渡邊キュレーターやWALL_alternativeのディレクターが登壇し、現代アートがどのように日本の伝統美を再構築するのかについて語り合います。また、併設されるバーでは、展覧会に合わせた特別なコラボレーションメニューが用意され、訪れた人々に多角的な体験を提供します。

参加アーティストの紹介

- 兼子真一：浮世絵の春画からインスパイアを受け、「関係」というテーマで手足のつながりを探求。彫刻や絵画など多彩な手法で表現。
- 野田ジャスミン：陶芸を用いたインスタレーション作品で、多様な価値観の中から生じる感覚を追求。
- ハシグチリンタロウ：パンクロックの影響から始まり、書道をエネルギーとした表現を展開。
- 長谷川寛示：彫刻を通じて自然と人間の関係性を描く。
- 森夕香：身体と環境の境界を探る作品で、流動的な世界観を表現。

未来への視点

本展を通じて、来場者は日本の美意識がどのように現在に引き継がれ、変化しているのかを新たな視点で感じることができるでしょう。美術とアートの交差点であるWALL_alternativeが創り出す新しい対話や景観は、訪れる人々にとって忘れられない体験を提供します。今後のアートシーンにおける日本の美意識の在り方を考える貴重な機会となることでしょう。