ヘリテージ・オークションズが歴史的な売上を記録
米国最大のオークションハウスであるヘリテージ・オークションズは、2025年度の上半期(1月〜6月)において、前例のない総売上高を達成しました。その金額は9億6,200万米ドル(約1,420億円)で、同社の歴史の中で最も高い売上です。昨年同期の9億2,400万ドルを大きく上回る結果となりました。
この好調な業績は、特に2025年後半に計画されているいくつかの大型イベントや著名なコレクションの出品によって、さらなる成長が期待されています。また、過去5年にわたり、毎年売上記録を更新し続けているヘリテージ・オークションズは、2024年の売上が18億6,700万ドル、2023年が17億6,000万ドルだったことから、今後も同様のペースで成長する見込みです。
オークション参加者数も増加中
ヘリテージ・オークションズの魅力は、単に売上にとどまらず、オークションに参加する人々の数も増加しています。2025年5月時点で、オンライン入札の会員数が200万人を突破。これにより、同社は業界最先端のテクノロジーを駆使し、国際的な市場での影響力を強化しています。
CEO兼共同会長のスティーブ・アイビーは、2026年に創業50周年を迎えるに当たり、会社の成長に自信を示しています。「新しいオフィスの開設やカテゴリーの拡充、そして数々の記録的な成果を通じて、次世代の顧客層を歓迎しています」と彼は述べています。
各カテゴリの強力な業績
2025年上半期の業績は、多数の重要なカテゴリから成り立っています。コミック&コミックアート、スポーツ、エンターテインメント、アメリカンアート、さらに紙幣・コインセクターでの顕著な成果が相次ぎました。
例えば、年初に行われたコミック&コミックアートのオークションでは、落札総額が1,079万ドル(約15億8,900万円)に達し、いくつかの新記録が樹立されました。1979年発行の『アメイジング・スパイダーマン』第194号に関連するカバーアートが102万ドル(約1億5,020万円)で落札され、スパイダーマン関連のアートとしては史上最高の落札額を更新しました。
さらに、スポーツカードのオークションも盛況で、特にアレン・アイバーソンのNBAカードが70万1,500ドル(約1億300万円)で落札されました。この額は、以前の最高額を大きく超える結果となり、業界全体に新しい風を吹き込んでいます。
ポップカルチャーの強み
また、ポップカルチャーやファインアート部門も成長しており、特にスタジオジブリ関連のオークションが注目されています。最近開催された「日本アニメーションアート・オークション」では、149万1,000ドル(約2億1,950万円)の落札総額を記録しました。これにより、アニメーションファン層からの支持が高まります。
4月のコミックオークションでは、『マーベル・スポットライト』第32号の表紙原画が69万ドル(約1億160万円)で落札され、大きな話題を集めました。これはスパイダーウーマンの初登場を飾る重要な作品としても知られ、アート市場に新たな価値を提供しました。
2025年下半期の展望
今後の展望も明るいです。2025年下半期には、ハリウッド関連のオークションが予定されており、映画『市民ケーン』の象徴的な小道具などが取り扱われます。特に、「バラのつぼみ」の山車が1,475万ドル(約21億8,300万円)で落札された場合、映画関連メモラビリアとしての最高額を記録する可能性があります。
このように、ヘリテージ・オークションズは多様なカテゴリでさらなる記録更新を目指しており、コレクターズアイテム市場においてリーダーとしての地位を確立し続けています。今後も業界を牽引する存在として、さらなる成長が期待されます。