銀行業界が再生する未来を描く
2025年8月27日に、株式会社クロスメディア・パブリッシングから新刊『銀行ビジネス』が刊行されます。本書は、金融専門エディターの菊地敏明が1,000人以上の銀行員への取材を通じて得た情報に基づき、銀行業界の現状と未来の可能性を詳細に解説しています。最近、銀行業界は「オワコン」と呼ばれる時代がありましたが、2024年3月に計画されているマイナス金利政策の解除は、その状況を一変させるかもしれません。
銀行業界の復活とその背景
マイナス金利政策が長らく続いた結果、銀行は収益性を維持することが厳しく、業界への信頼感も薄れていました。ところが、金利が回復することで、過去最高益を更新したメガバンクの報告は、再生の兆しを示しています。本書では、歴史的な経緯や現在の収益構造に基づき「オワコン」とされた理由と、それを乗り越えていく銀行の姿を分析しています。
デジタルシフトへの対応
さらに、本書の第1章では、JR東日本が立ち上げた「JRE BANK」のように、Banking as a Service(BaaS)を駆使して異業種が銀行業界に参入している現状も取り上げています。AIによる融資審査の導入や、ブロックチェーン技術の可能性を探りつつ、DX時代に適応するためのビジネスモデルの変革についても深く詳述しています。
新NISAと収益の多様化
第4章では、新NISAの開始により注目される新しい業務である「窓販」に焦点を当て、顧客本位の運営が適用されることによる販売戦略のシフトについても解説されています。従来の「商品ありき」から「コンサルティング」重視への変化は、業界全体における考え方を刷新する重要な要素となっています。
銀行業界のリアルを描く
著者の菊地敏明氏は、金融情報誌『Ma-Do』で長年活動してきた実績があり、これまでに多くの銀行員や金融関係者からのヒアリングを行ってきました。本書では、その体験から得た銀行業界の「表」と「裏」を織り交ぜたリアルな声が数多く盛り込まれています。特に、働き方や組織文化の変化についての詳細な描写は、多くの読者にとって興味深い内容となるでしょう。
社会の変化に応じた人事制度
また、銀行員が従来の「終身雇用」や「年功序列」に依存していた時代から、専門性を重視したキャリアパスや中途採用の増加といった新しい人事制度へと移行していることも触れています。
誰におすすめか
この新刊は、銀行業界への就職や転職を考えている人々、銀行の仕組みを理解したいビジネスパーソン、新NISAに関連して資産運用を考える個人投資家、そして金融業界に興味のある経営者や研究者にもおすすめです。
本書の構成
- - 銀行ビジネスは今が面白い
- - 第1章:JR銀行から学ぶフィンテックの世界
- - 第2章:銀行の種類について
- - 第3章:銀行の歴史
- - 第4章:新NISAから学ぶ窓販
- - 第5章:預金の世界
- - 第6章:貸出の世界
- - 第7章:多様な業務の世界
- - 第8章:銀行員の世界
- - 第9章:日本の銀行の世界
著者紹介
菊地敏明(きくち・としあき)は1969年生まれ、横浜市出身の金融エディターで、長年金融情報誌『Ma-Do』の編集長を務めた経歴を持ちます。2023年にはフリーランスに転身し、引き続き金融コンテンツの作成に携わっています。
書籍情報
- - 書名:『銀行ビジネス』
- - 著者:菊地敏明
- - 定価:1,848円(本体1,680円+税)
- - 発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング
- - 発売日:2025年8月27日
金融業界の現状と将来を見渡す貴重な情報が詰まった一冊として、銀行業界に関わる人々にとって必見の作品です。