名古屋テレビが制作した木本事件ドキュメントが99年後の真実を追う

木本事件の99年後に迫る新たなドキュメンタリー

名古屋テレビ（メ～テレ）が制作した新しいドキュメンタリー『掌で空は隠せない～木本事件の99年後～』が、2025年1月12日（日）深夜0時45分に放送される。この番組は、99年前に三重県木本町（現・熊野市）で起きた木本事件について、追加取材を通じて新たな視点を提供する。

木本事件とは？

1926年、木本町でトンネル工事に従事していた朝鮮人2人が、武装した町民の集団に襲われ、命を落とすという悲劇が発生した。その背景には、小さなトラブルから広がった「朝鮮人が集団で襲ってくる」という噂が存在した。この事件は地域のタブー視され、語られることが少なかった。さらに、関東大震災後には同様の理由で多数の朝鮮人が虐殺された歴史がある。

番組の目的

このドキュメンタリーは、木本事件の詳細を掘り下げ、事件が持つ意味を現代に引き寄せることを目指している。市民団体が建立した追悼碑の存在や、現地の僧侶や教育者、在日コリアンの視点を通して、差別の実態とそのメカニズムについても考察される。プロデューサーの村瀬史憲は、「なぜこのような事件が、平時の日本で起こったのか」という疑問を探ることが取材の目標だと語っている。