山怪シリーズ完結!
現代の遠野物語とも称され、34万部の売上を誇る「山怪」シリーズの最新作『山怪 青山人が語る不思議な話』が、2025年7月1日に刊行される。著者の田中康弘氏が、10年間の取材を経てついにこのシリーズを締めくくる作品となる。
この本は、山と人との関わりや不思議な体験談に焦点を当てており、実際に日本の山々で暮らす人々から直接聞いた数多くの物語が収められている。物語は、話者自らの体験として語られており、読者は不思議な現象や奇妙な出来事を通じて、山の魅力と裏側に隠された世界を垣間見ることができる。
目次と内容
本書は、以下の三部構成になっている。
1. 北のまほろば
この章では、北海道や青森県、山形県といった北の地域における不思議な体験が描かれています。特に「泣く木」や「狐との闘い」など、自然との遭遇を通じて、いかに人々が山の神秘を感じているかが語られています。
2. 追憶の山並み
東京近郊や信州、群馬県などが舞台のこの章では、過去の出来事や記憶が山を背景に展開されます。「顔の無い男」や「キヨハル君」といった奇怪な存在が登場し、山が持つ特別な記憶と人々の関係が語られます。
3. 蒼然たる森
最終章では、三重や九州などの山々での神秘的なエピソードが収められています。古井戸や火の玉、異形のものたちについて描かれ、山の神秘が一層深まります。これらの物語は、「山怪」とは何かを再確認させてくれるものです。
著者プロフィール
田中康弘氏は1959年に長崎県で生まれ、日本各地を放浪しながら取材を行うフリーランスカメラマンです。長年にわたり農林水産業、特にマタギなどの狩猟文化を取材してきた実績があり、過去の著作には『シカ・イノシシ利用大全』や『ニッポンの肉食マタギから食肉処理施設まで』などがあります。自身の体験をもとにした物語は、読者に強い共感を呼ぶことでしょう。
まとめ
『山怪 青山人が語る不思議な話』はシリーズの集大成とも言える一冊であり、山に生きる人々のストーリーを通じて、現代社会における自然との共生の重要性を示しています。恐れと畏敬を重ねて、ぜひこの本を手に取ってみてほしい。
定価は1,650円(税込)で、詳細は公式サイトで確認できる。山の神秘に触れることで、あなたの視点がどのように変わるか、乞うご期待。