『思考の整理学』300万部突破のニュース
1983年に出版された外山滋比古の名著『思考の整理学』が、2025年10月15日に文庫版累計133刷を迎え、累計発行部数が300万部を超えました。筑摩書房の代表的な作品として、40年以上にわたり読者を魅了し続けているこの本は、2024年に発売予定の新版において、業界初の試みとして47都道府県別のオリジナル帯を付けて出荷されることが決まりました。
大学での長年の支持
『思考の整理学』は特に東京大学や京都大学の学生たちから人気を集めており、文庫化以降も多くの支持を受けてきました。大学生協のランキングでは2008年から2024年までの間、東大生協本郷書籍部で7回、京大生協で9回も1位を獲得しています。多くの学生がこの本を手に取り、思考の整理術を学ぶための重要な資源として活用しているのです。最近の調査では、全国47県の大学生協でも『思考の整理学』が文庫累計販売冊数で1位に輝くなど、その人気は確かなものとなっています。
オリジナル帯の特別企画
11月中旬に予定されている新版の重版分には、各都道府県ごとに異なる帯が付けられます。地元の大学名や集計成績が記載され、各地域の書店で異なるデザインが販売される予定です。この新たな取り組みが、全国の読者に『思考の整理学』を再発見させ、多くの人に愛されることを期待されています。
紀伊國屋書店の新宿本店副店長である伊藤稔氏は、「本が多くの人の手を経て届くことは、著者や出版社の情熱を感じさせる」と語り、その重要性を強調しています。また、「本を手に取ることで、それぞれの思考を整理する手助けになる」とも。他の書店でも同様のフェアを行う準備が進められており、全国規模での盛り上がりが見込まれています。
時代を超えるメッセージ
『思考の整理学』が今もなお多くの読者に親しまれる理由は、著者が提言する「自力で飛び回れる飛行機人間になるための思考法」にあります。これは1983年に書かれたものであり、今の情報過多の時代においても通用するメッセージを持っています。多くの人々が知識を過剰に詰め込むだけでなく、自らの頭で考えて判断する力が必要とされていることが強調されています。
新たな時代に合わせた改訂
新たに改訂される新版『思考の整理学』では、2009年の特別講義を収録し、文字サイズも大きくして読みやすくなっています。これにより、さらに多くの新しい読者にも手に取ってもらえることを目的としています。数十年にわたる推移の中で、この書籍は文庫版でも毎年約10万部の重版が続き、今や不朽の名著となっています。
終わりに
『思考の整理学』の人気の背景には、著者外山滋比古の思考法や知識に対する深い洞察があることは間違いありません。299万部以上の販売数は、その道程が決して偶然ではないことを物語っています。この名著が、これからも多くの人々に新しい気づきを与え続けることを願っています。