複雑化する世界を解明した『複雑化する宇宙と生物圏』の魅力と意義
近代科学社から岡本龍明氏による書籍『複雑化する宇宙と生物圏そして人間社会 創発とコンプレキシティが解き明かす世界』が2025年6月27日に発行されます。この本は、私たちの生きる宇宙や生物圏、そして人間社会がなぜこれほど複雑で多様性に富んでいるのかを解説しています。
コンプレキシティ増大の法則とは?
著者は、この複雑性の背後にある「コンプレキシティ増大の法則」を提示し、物理学の歴史から現代の複雑な現象までを通じて、その真理に迫ります。「創発」や「コンプレキシティ」といった概念を用いることで、宇宙の誕生から生命の進化、人間社会の文化や規範に至るまでの広範な視点から解析が行われます。
書籍の内容紹介
本書では、宇宙がどのようにして誕生し、どのように進化してきたのかを科学的に探ります。また、地球上での生命の複雑性の歴史をたどり、単純なものから複雑なものへと変化していく過程を時系列で描き出します。
物理学の歴史に学ぶ
著者はまず、物理学の歴史を振り返ることで「創発」や「コンプレキシティ」の考え方を育んできた背景を説明します。エントロピーや還元主義の概念を紹介し、それらがどのように現代の科学に影響を与えているのかを明らかにします。
コルモゴロフ複雑性
次に、コルモゴロフ複雑性の概念について詳述されており、これは情報理論と計算理論の両面から複雑性を理解するための基盤となるものです。この考え方を通じて、著者は現代における複雑な現象への理解を促します。
人間社会と文化の創発
書籍の後半では、人間社会の複雑さについても詳しく論じられています。社会規範や文化はどのように創発され、進化してきたのか、そのメカニズムを探ることで、私たちの社会が直面する根源的な問題に対する解決策が数多く提案されます。
統一的な視点の重要性
一見無関係に見える様々な現象を統一的な視点で捉えることで、私たちの日常生活や自然界の仕組みに新たな理解をもたらすことを目指しています。この書を通じて、科学的な思考がもたらす楽しさや、世界の奥深さを感じていただければ幸いです。
著者の背景
岡本龍明氏は、東京大学工学部を卒業後、日本電信電話公社(現 NTT)にて研究活動を行ってきたエキスパートです。研究者としてだけでなく、教育者としても多くの実績を残しており、その中には数多くの賞も含まれています。彼の経験と専門性が存分に生かされた本書は、理工系の専門書だけでなく、一般読者にも親しみやすい内容となっています。
終わりに
『複雑化する宇宙と生物圏そして人間社会 創発とコンプレキシティが解き明かす世界』は、私たちの理解を深めるための一冊です。今後の科学技術の進展や人類の未来に思いを馳せるきっかけになることでしょう。出版される6月が待ち遠しいです。