国吉歳木朗の個展「Region Free : Reloaded」開催
この度、ニューヨーク在住の写真家・国吉歳木朗の個展「Region Free : Reloaded」が、東京のクリエイティブスタジオ「CONTRAST」にて開催されることとなりました。展覧会は、2023年11月29日(土)から12月7日(日)まで行われ、沖縄文化とニューヨークでの経験を融合させた作品が展示されます。
展覧会のテーマ
「Region Free」というタイトルは、地域や文化の制約を超えて、自由な発想で世界を捉えようとする国吉の思いが込められています。本展では、彼のルーツである沖縄のカルチャーや素材について、新たな視点から探求しています。
国吉の作品は、沖縄特有の天然素材・琉球石灰岩を中心に構成されています。この素材の独特な質感や脆さ、そして何千年という時間をかけて形成された結晶や化石の存在は、彼にとって特別な意味を持ちます。多くが建材としての価値を問われ、工場で廃棄されてしまう琉球石灰岩ですが、国吉はその「脆さ」こそに真の価値があると考えています。
沖縄とニューヨークの交差点
彼が示す新たな視点は、故郷である沖縄と第二のふるさとともいえるニューヨークの感覚がどのように交差するかにあります。この個展では、前回の沖縄での展示を基にした新作や実験的な作品が盛り込まれており、両地域をテーマに再構成された内容となっています。
さらに、この展覧会は単なる写真の展示にとどまらず、国吉独自の視覚的表現を通じたインスタレーションへと発展しています。フィルムとデジタル両方の技術を駆使し、異なる技法を併せ持つ作品がひとつの空間で融合されています。
出自と成長
国吉歳木朗は1980年に沖縄県那覇市で生まれ、2002年に渡米。その後、サンフランシスコで4年間写真を学び、2006年にはニューヨークに移住しました。アーティストビザを取得し、2008年には自らの会社「shootinglife LLC」を設立、2009年には写真スタジオも開設しました。彼は人物を中心に作品を展開しながら、ファインアートフォトグラフィの展示も積極的に行い、国内外で高い評価を受けています。
近年は、平面写真の枠を超え、異なる要素を混合した表現を探求する姿勢が際立っています。沖縄の色彩感覚や精神文化を背負い、多様な文化が混在するサンフランシスコやニューヨークの魅力を加えた独自のスタイルを確立しています。
展覧会情報
- - 会期: 2023年11月29日(土) – 12月7日(日)
- - 時間: 12:00 – 19:00(最終日は18:00まで)
- - オープニングパーティ: 2023年11月28日(金)18:00 – 21:00
- - クロージングパーティ: 2023年12月7日(日)15:00 – 18:00
- - 入場料: 無料
- - 会場: CONTRAST(東京都渋谷区富ヶ谷1-49-4-1F & B1F)
- - 最寄駅: 東京メトロ千代田線「代々木公園」駅1番出口より徒歩1分、または小田急小田原線「代々木八幡」駅南口より徒歩2分
そして、国吉は2023年から2025年にかけてロンドンのファインアートフォトグラフィアワードの審査員も務めることになりました。沖縄での次回の個展も期待されており、さらなる創造活動が楽しみです。