舞台『マイクロバスと安定』開幕
竹中直人と生瀬勝久が主演する舞台『マイクロバスと安定』が、11月8日に東京・下北沢の本多劇場で開幕しました。この作品は、演劇ユニット・竹生企画の第四弾です。竹中直人と生瀬勝久が作・演出を倉持裕に委ね、旬の俳優たちを迎えた新たな試みが観客の心をつかんでいます。
個性豊かなキャスト
本作は、舞台演出家の成清圭吾(竹中直人)の自宅に、旧友の戸張修一郎(生瀬勝久)とその娘・早帆(飯豊まりえ)が訪れるところから物語は始まります。物語は、演出助手の井岡(戸塚純貴)、一人芝居を稽古する女優・真咲(サリngROCK)、隣人の山野辺(浜野謙太)たちの登場によって、各々の状況や心情、さらには価値観の違いから生じる摩擦が徐々に浮かび上がってきます。
倉持裕の独特な心理サスペンスの手法が光り、登場人物たちの心情が揺れるたびに、観客の感情も激しく動かされることでしょう。この作品では日常と非日常が絶妙に交錯し、観る者を惹き込む力を持っています。台詞には巧みな言葉選びがされており、さりげない一言が心を掴む場面も多く見受けられます。また、ずれの中に潜む笑いも清々しく、心を明るくしてくれる要素の一つです。
演技の妙
物語の核心を生み出すのは、竹中直人と生瀬勝久です。二人のシーンは観る者を引き込む魅力に溢れ、特に竹中の目まぐるしい心情の変化や、生瀬の重厚な演技が物語全体に動きのある生気を与えています。飯豊まりえはその凜とした存在感で場の雰囲気を作り、戸塚純貴は映画やドラマでの演技とは一線を画し、観客に寄り添うような繊細さを見せます。サリngROCKは女優としての独自の違和感で物語にスパイスを加え、松浦りょうはその異彩で視線を惹き付けます。更に、倉持作品を熟知している浜野謙太は、物語の中で軽やかに重要な役割を果たしています。
製作の背景
2023年12月には、竹生企画がさらに多くの都市で巡演する予定です。初めての下北沢での上演ですが、竹生企画を待ち望んでいた観客たちの期待に応え、実に秀逸な仕上がりに期待できます。この作品は、観客の反応によっても変化し、上演回数が増えるにつれて新たな発見があることでしょう。
公演情報
東京公演は11月30日まで開催され、当日券は公演の1時間前から販売されます。12月には兵庫、広島、熊本、盛岡、久慈、青森、長岡と全国を巡ります。
公演概要
タイトル: 竹生企画第四弾『マイクロバスと安定』
作・演出: 倉持裕
出演: 竹中直人、生瀬勝久、飯豊まりえ、戸塚純貴、サリngROCK、松浦りょう、浜野謙太
東京公演: 2023年11月8日〜30日、下北沢 本多劇場
全国巡演: 2023年12月5日〜27日
この新たな舞台の魅力に触れ、多くの方々にぜひ観ていただきたいと思います。