緊縛の新たな時代を映し出す著作
日本の「緊縛」は今や想像を超えて、世界的に評価されるアート、KINBAKUとして注目を集めています。そんな中、団鬼六賞を受賞した作家・花房観音が新たな著書『縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち』を出版することが決まり、これが日本の官能文学界に新しい波をもたらすかもしれません。この本は、2月17日に全国書店および電子書店で発売される予定です。価格は2,980円です。
緊縛師・奈加あきらの人生
この本は、緊縛師・奈加あきらの波乱に満ちた半生を追いながら、彼が縛ることを生業にする理由を探るものです。奈加は1951年に新潟で誕生し、幼少期には差別に苦しみ、やがてはアウトローの世界に足を踏み入れることとなりました。その後、伝説の緊縛師・濡木痴夢男のもとで技を学び、緊縛師として名を馳せるに至ります。
奈加のスタイルは「NAKA STYLE」として知られ、その独特の方法は国内外での緊縛ショーやワークショップで高い人気を誇ります。観客は常に熱狂的で、すぐにチケットは完売するほどです。
縛られる側の視点
本書では、奈加あきらが縛る女性たちの姿にも焦点を当てています。彼女たちは「緊縛は解放である」と語り、その真意に迫る内容となっています。痛みや苦痛を伴うこの行為が、どのように彼女たちにとって解放となるのか。それぞれの思いや感情が交錯する中で、彼女たちは「奈加あきらになら、殺されてもいい」とまで語るのです。これは、単に肉体的な行為を超えた、深い信頼関係の象徴とも言えます。
知られざる日本のSM・緊縛史
花房観音は、奈加あきらの人生を通じて日本のSMや緊縛史についても語ります。かつて特殊な嗜好として楽しむ人々の間だけで密かに行われていた緊縛は、今や多くの人々に受け入れられ、アートとして認知されるまでに至りました。この変遷の中で、奈加の存在は重要な意味を持つのです。
また、本書はコデックス装での造本になっており、カラーグラビアは16ページが設けられ、日本の官能美を強調しています。著者の花房観音は、官能小説やホラー小説、エッセイなど幅広く執筆活動を行っており、京都のバスガイドとしても知られています。
まとめ
『縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち』は、ただの緊縛の紹介に留まらず、その背後にある人々の人生や思い、文化的な背景を徹底的に掘り下げた一冊となっています。官能の美しさを探求することの意義について考えさせられる内容を、ぜひ手に取って感じてみてください。この新しい緊縛の世界が、あなたの見方を変えるかもしれません。