オーガニック給食の導入に向けた実践と理論
2025年6月13日、一般社団法人農山漁村文化協会(農文協)より、新書『どう進める?オーガニック給食―世界の動向と日本のこれから』が発売されます。本書は、日本における学校給食のオーガニック化について、特にその必要性や実践方法を詳しく探る内容となっています。
オーガニック給食の必要性
近年、子どもたちに提供される学校給食にオーガニック食材を使用する動きが広がっています。この背景には、持続可能な環境で育てられた食材を提供し、食育を促進する意義があります。特に2021年には、農林水産省が「みどりの食料戦略システム」を策定したことにより、オーガニック給食の必要性がより一層高まっています。
2023年には、全国オーガニック給食協議会が設立され、112の団体や177名の個人が参加するなど、大規模な活動が進行中です。本書では、なぜオーガニック給食が日本の子どもたちに必要なのか、さまざまな視点から考察します。
実践の困難と解決策
本書は、オーガニック給食の導入時に直面しがちな質問を5つにまとめています。
1. なぜ現状のままではいけないのか?
2. オーガニック食材使用によるコスト負担は誰がするのか?
3. どのようにオーガニック食材を安定的に調達できるか?
4. 有機農業を志す人が何をする必要があるか?
5. 政府の市場介入は許されるのか?
これらの疑問は、すでにオーガニック給食を進める国々にとっても重要なテーマであり、本書ではブラジル、アメリカ、韓国、フランスの具体例を挙げながら、それぞれがどのような課題を克服してきたのかを詳しく解説しています。
著者の視点
関根佳恵先生(愛知学院大学教授)は、特にオーガニック給食にまつわる理論や実践についての専門家として、本書の執筆に深く関わっています。2024年には、全国オーガニック給食協議会の総会で本書の内容に共感する声が広がり、「オーガニック給食のバイブルを作ろう」という理念から本書が誕生しました。
海外の成功事例からの学び
本書の中では、オーガニック給食を実施している国々の成功事例も紹介されており、その背景にはどのような取り組みがあったのか、実践へのヒントが多数提供されています。特にフランスでは、オーガニック食材を多く使用しているにもかかわらず、必ずしも食材費が高騰しない事例が示されており、興味深い内容となっています。
結論
『どう進める?オーガニック給食』は、オーガニック給食の導入に関する理論と実践が双方に学べる貴重な書籍です。学校給食をより良いものにするために、ぜひ手に取ってみてください。今後ますます重要になってくる食育や持続可能な農業についての理解を深められることでしょう。
書籍情報
- - タイトル: どう進める?オーガニック給食
- - 著者: 関根佳恵
- - 発行予定日: 2025年6月13日
- - 価格: 1,100円(税込)
- - ページ数: 100ページ
- - 購入リンク: 農文協公式サイト
お問い合わせ先
一般社団法人農山漁村文化協会のホームページもぜひご覧ください。
公式サイト
この取り組みがどのように進んでいくのか、今後の展開に大いに期待したいです。