民間信仰の特集
2025-08-27 09:45:31

国立民族学博物館とのコラボが生み出した一冊『世界の呪術と民間信仰』

別冊太陽『世界の呪術と民間信仰』の魅力



2025年8月27日、株式会社平凡社から待望の別冊太陽『世界の呪術と民間信仰』が発売されます。この本は、世界的に知られる国立民族学博物館とのコラボレーションによって実現した特別企画であり、昨夏に大盛況を収めた『呪術の世界』に続く作品です。民俗学や呪術に興味を持つ読者からの期待が高まり、発売前から早くも重版が決まるという注目度の高い一冊です。

本書に収められているのは、国立民族学博物館が所蔵する34万点以上の資料から厳選した、「呪術」と「民間信仰」に関連する貴重なアイテムです。各章の執筆者は、世界各地を精力的に取材している文化人類学者たちであり、彼らの豊富な知識と独自の視点から、ただのアイテム紹介に終わらない、物と人間の複雑な関係性を考察します。特に、現地の調査写真を通じて、読者は呪術的な世界の深い理解へと導かれます。

文章はオセアニア、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、そして日本に及び、100以上の呪物を紹介。各地域の文化的多様性を体感しながら、読み進めることができる構成になっています。たとえば、オセアニアのアボリジニ文化では「ドリーミング」と呼ばれる精神的な世界の探求が紹介され、メキシコのナワルでは治療師としての役割を担う存在が描かれています。これにより、世界を旅する感覚を演出し、呪術と民間信仰の多面性を感じ取ることができるでしょう。

特集ページの合間には、さまざまな視点のコラムやエッセイも収録。文化的な横断をテーマにした「通文化コラム」では、貝殻が金銭的な価値や呪術的な代表性からどのように用いられるかが考察され、伝統的な楽器が呪具として、その役割を果たす様子も取り上げられています。また、現代の魔女の実像や、鳥と呪術の関係について記された読み物では、その背景にある文化的な意味や、民俗信仰の生きた姿を掘り下げていきます。

本書では、寄稿として新進の文筆家・伊藤亜和によるエッセイ、怪談を収集する文様作家・Apsu Shuseiによる新作エッセイとその作画も掲載。さらに、文化人類学者であり漫画家でもある都留泰作の描き下ろし漫画もあり、視覚的にも楽しめる内容となっています。

呪術についての理解は、ただの過去の文化現象に留まらず、今なお生き続ける「文化」であることを教えてくれる本書は、時代の中でどのように人々が文化と向き合い、関わりを持っているのかを深く考える契機になるでしょう。私たちの生活がどのようにこの「呪術」に影響されているのか、ぜひ手に取って確認してみてください。本書は、呪術の魅力をさらに広げ、私たちの心に新しい視点を提供してくれるでしょう。

書誌情報


  • - 書名: 世界の呪術と民間信仰──国立民族学博物館コレクション
  • - シリーズ: 別冊太陽 日本のこころ
  • - 監修: 島村一平
  • - 発売日: 2025年8月27日
  • - 定価: 2,750円(税10%込み)
  • - ISBN: 978-4-582-92326-1
  • - 出版社: 平凡社

この本を通じて、呪術が私たちの社会にどのように息づいているのか、その新たな発見を楽しみにしていてください。


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