台湾人作家・楊双子が新作を発表!
全米図書賞を受賞し、世界中で注目を集める台湾人作家・楊双子(よう ふたご)が、その待望の最新作『四維街一号に暮らす五人』を出版しました。この作品は、台湾の文化と現代生活を描く感動的な物語で、多くの読者の心を掴むことでしょう。
新作の内容
『四維街一号に暮らす五人』は、女子専用シェアハウスを舞台にした物語です。古い日式建築のその場所では、家賃の高騰や生活費の問題に悩む女子たちが共同生活を送り、その中で友情や恋愛、人生の苦悩を乗り越えていく様子が繊細に描かれています。物語の中心となるのは、乃云(シャイ)、家家(苦学生)、小鳳(聡明)、知衣(BL作家)の四人。彼女たちは楽しい飲み会や日々の挫折を共にしながら、ひとつの家族のような絆を築いていきます。
特に注目すべきは、本書に登場する百年前の台湾料理レシピです。これにより、物語は家族の苦い歴史と五人の孤独感が交錯する深い内容に仕上がっています。読者は、グルメとレトロ建築、共同生活に利する彼女たちの物語に、食を介した共感を見出し、心が温まることでしょう。
トークイベントも開催
本書の発売に合わせて、著者・楊双子と作家の角田光代、そして翻訳者の三浦裕子によるトークイベントが、八月二十三日に台湾文化センターで開催されることが決定しています。さらに、八月二十四日にはリン・キンとの共同イベントも予定されています。詳細は近日中に発表されるため、ファンは見逃さないようにしましょう。
楊双子の魅力とは
楊双子は1984年に台湾の台中市で生まれ、本名は楊若慈です。彼女は双子の姉妹であり、共同ペンネームとしての「楊双子」は妹の楊若暉とのコンビ名でもあります。彼女は小説家だけでなく、サブカルチャーや大衆文学の研究者としても活動しており、台湾の歴史や文化に根ざした作品を数多く執筆しています。また、彼女の過去の作品『台湾漫遊鉄道のふたり』は、全米図書賞を受賞し、日本翻訳大賞も獲得しました。この成功によって、楊双子は今や国際的に評価される作家となっています。
一方、翻訳を手掛けた三浦裕子は、台湾と香港の文学を日本に紹介する活動に加わったり、独自の視点で作品を翻訳しています。彼女の力量も、『四維街一号に暮らす五人』にさらなる深みを与えています。
書誌情報
『四維街一号に暮らす五人』は、定価2,090円(本体価格1,900円)で、全国の書店やオンラインで購入可能です。四維街という魅力的な舞台で繰り広げられる女性たちの絆の物語、ぜひ手に取ってみてください。台湾の食文化や共同生活の温かさを感じる、感慨深い一冊です。