新津きよみ氏の新たな短篇集『妻が余分』
短篇ミステリーの名手、新津きよみ氏の最新作『妻が余分』が、株式会社徳間書店より2025年11月11日に発売されます。この文庫オリジナル短篇集は、シニア世代をテーマにした人生ミステリーを7編収めており、現代の人間関係や個々の心情に様々な角度から光を当てています。
あらすじ
物語の主人公、小宮山元(こみやまはじめ)は、定年退職を間近に控えた男性です。長い間の単身赴任を経て、久しぶりに家族の待つ自宅に帰りますが、そこで彼を待っていたのは思いもよらぬ現実。義母との同居や、思い出の品が勝手に捨てられてしまったり、まさに「妻が余分」と感じざるを得ない状況に直面します。この困難な状況を通じて、彼は過去の自分と向き合い、人生の意味を問い直していきます。
タイトル作である「妻が余分」では、元の内面的葛藤を描きながら、軽快な筆致で熟年層の悩みや再出発を描いています。彼は、空き家となった実家の整理を始め、自らの居場所を探し求める中で意外な発見をすることになります。
人生の振り返りを促す内容
新津きよみ氏は、地方文学賞の選考委員として、定年退職後の方々が多く応募していることを挙げ、「文章を書くことは、自分の人生を振り返り、新たな生き方を見出す素晴らしい手段です」と述べています。このように、本書は単なるミステリーにとどまらず、読者に人生のセカンドライフやサードライフについて考えさせる内容となっています。
著者について
新津きよみ氏は長野県出身で、青山学院大学を卒業後、1988年に作家デビューを果たしました。以降、女性心理をテーマにしたサスペンス小説で高い評価を得ており、数多くの作品が映像化されています。この『妻が余分』は、彼女にとって98冊目の単著作品として大きな意味を持つ一冊です。
書誌情報
- - カバーイラスト: 夜久かおり
- - タイトル: 妻が余分
- - 著者: 新津きよみ
- - 定価: 935円(税込)
- - 判型: 文庫判
- - ページ数: 336ページ
- - 発売日: 2025年11月11日
- - ISBN: 978-4-19-895069-9
本作の表題作の冒頭部分約25ページは特別に公開されており、読者はその魅力を試し読みすることができます。興味を引かれた方はぜひ、作品を手に取ってみてください。新津きよみ氏が描く人間模様は、きっとあなたの心にも深く響くことでしょう。
以上、新津きよみの待望の新作『妻が余分』についてのご紹介でした。人生の様々な局面を考えさせられるこの短篇集、シニア世代のみならず、多くの読者にとっても共感を呼ぶ作品となることでしょう。