あうるすぽっとバリアフリー上映会の詳細
公益財団法人としま未来文化財団が主催する「バリアフリー上映会」が、2025年11月1日(土)に東京都豊島区のあうるすぽっとで開催される。
この上映会は、視覚や聴覚に障がいのある方を含め、全ての人々が映画を楽しめる機会を提供することを目的としている。毎年恒例のこのイベントでは、バリアフリー字幕、音声ガイド、手話通訳など、様々な情報保障が用意されており、参加者が安心して映画を鑑賞できる環境が整えられる。
上映作品について
上映される作品は二本。まず、草笛光子が主演する『九十歳。何がめでたい』は、直木賞作家・佐藤愛子のエッセイを元にした痛快なエンターテイメントだ。この作品では、90歳を迎えた主人公が自身の人生を振り返り、過去の出来事をユーモラスに描く。エネルギッシュなパフォーマンスは観客に笑いと感動を運ぶ。
もう一つの作品は、ドキュメンタリー『へんしんっ!』。全盲の俳優やろう者の通訳者にスポットをあて、障がい者の表現活動の可能性を探る内容である。この作品は、障がいを持つ人々がどのように自身の才能を活かし、周囲との関係を築いていくのかを描き出している。監督の石田智哉は、ただの観察者ではなく、当事者として舞台に立つ経験を通じて見えた世界を観客と分かち合う。
参加方法と料金
上映会は、どなたでも参加可能で、料金は500円。介助者1名が無料で入場できるため、アクセスの利便性も考慮されている。また、上映後にはトークイベントが開催され、監督や出演者たちとの交流の場も設けられている。
あうるすぽっとでのバリアフリー上映会は、視覚や聴覚に障がいのある方々にも映画の楽しさを伝えるための取り組みであり、文化芸術のアクセシビリティを拡充する一助となることを目指している。情報保障の充実によって、すべての人々が共に笑い、考え、感動を分かち合う場を提供することが目的だ。
制作者の思い
主催者は、「同じ時間を共有することの重要性」を伝えたいと考えている。映画館や劇場は、人々が感動や興奮を一緒に体験できる場所であるが、視覚や聴覚に障がいのある方々にとって、その体験は残念ながら遠いものとなっている現状がある。この上映会を通じて、障がいの有無に関わらず全ての人が映画を楽しめる環境をつくり、共有の経験が生まれることを期待している。
このような取り組みは、共生社会の実現に向けた第一歩といえるだろう。観客がそれぞれの思いを持ち寄り、異なる体験を共に語り合うことで、新たな交流や理解が生まれることを願う。皆様のご参加をお待ちしている。