高松亜衣が新たなクラシック音楽の扉を開く
ヴァイオリニストの高松亜衣が、新たなクラシック音楽のシリーズ「Resonance」を立ち上げることが明らかになった。このシリーズは、彼女の独自の視点からクラシック音楽の美しさや本質を再発見するための新たな試みであり、光を当てる作品たちには深い意味が込められている。
新シリーズの意図
高松亜衣は、従来のリサイタルでは自らの魅力を前面に出してきたが、「今回はその枠を越え、純粋なクラシック音楽に挑みたい」と語る。彼女が選んだ楽曲は、クラシック音楽の「本流」とも位置づけられるピアノ三重奏曲を中心に構成されている。これらの作品は、彼女自身の音楽的表現やアイデンティティを超えて、作曲家が残した思いをリスナーに伝えることを目的としている。
作品選びの理由
「音符が多いことは、作曲家が託した思いがそれだけ詰まっていることに他ならない」と高松は語る。彼女がアンサンブルに惹かれる理由は、そこに豊かな響きの交差が生まれるからだ。与えられた役割を果たすことにとどまらず、共演者と共に音楽の全体を構築するという彼女の姿勢は、真の音楽家としての挑戦を意味する。
今後の展望
公演のプログラムにおいて、19世紀ロマン派の作品、アレンスキーのピアノ三重奏曲とブラームスのピアノ三重奏曲第1番が選ばれている。前者は、ロシアの音楽伝統を受け継ぎつつも国を超えた普遍性を持ち、高松にとっては「受容力」が評価されているという。一方、ブラームスの作品は「精神を整える音楽」であり、聴き手に深い呼吸を促すような、彼女自身の音楽経験と深く結びついている。
チケット情報
シリーズの初回公演は、2025年6月13日、東京・浜離宮朝日ホール、そして続いて7月5日に神戸朝日ホールで開催される。チケットは各公演ごとに販売されており、一般の方でも手軽に参加できる構成となっている。公演の前には、出演者によるプレトークも予定されており、楽曲に対する想いや雰囲気を感じることができる貴重な機会となるだろう。
高松亜衣の思い
高松はこのシリーズを通じて、クラシック音楽の良き伝統を次世代へと受け継ぐことを強く意識している。「華やかさはないけれど、歴史を経て今に伝わる大切な作品を一つずつ丁寧に演奏したい」と語る思いは、彼女の音楽家としての姿勢を如実に表している。
高松亜衣が送る新たなクラシック音楽の旅、そのスタート地点となる「Resonance」は、参加者全員に深い音楽体験を提供することになるだろう。彼女が託す思いを感じながら、これからの音楽の可能性を広げていく一歩となるに違いない。