エフピコグラビア、革新的な省エネルギー技術を導入
2018年に稼働を開始したエフピコグラビア株式会社の油性グラビア印刷工場は、エネルギー消費削減において顕著な成果を上げている。特に、燃料消費原単位が約90%削減されたことは注目に値する。同社は、エフピコグループの環境方針に基づき、持続可能な生産を目指している。
1. エフピコグラビアの設立背景と目的
エフピコグラビアは、2017年に設立された合弁会社で、簡易食品容器のグラビア印刷フィルムを生産することを目的としている。同社は、環境への影響を最小限に抑えた生産を行うために、最新の技術と設備を導入している。旧工場と比較して、エネルギー消費原単位の大幅な削減を達成したことで、エフピコグラビアは持続可能な企業としての地位を確立しつつある。
2. 削減の主な要因と導入された設備
2.1 蓄熱式排ガス処理装置(RTO)
最新のRTO技術を導入し、排ガス燃焼浄化時の廃熱を効率的に利用している。この装置により、LPガスボイラの使用を停止させ、ガスコストを大幅に削減している。温度効率90~95%を誇るRTOは、補助燃料不要なほど高効率で、稼働コストの削減にも貢献している。
2.2 廃熱ボイラ
RTOで発生した余剰廃熱を利用した廃熱ボイラも導入されている。これにより、乾燥装置や空調の熱源として活用でき、工場全体のエネルギー消費の効率を尚更高めている。
2.3 全熱交換器の導入
また、工場の全熱交換器を採用することで、外気の温度と湿度を調節し、空調エネルギーを60%以上削減することに成功している。これにより、省エネ効果は明確に現れ、環境への配慮が進んでいる。
2.4 蒸気焚吸収式冷凍機
夏季の電力使用量も大幅に減少。廃熱ボイラから生成された蒸気を活用した吸収式冷凍機の導入により、空調によるエネルギー消費削減を実現している。
3. 今後の省エネルギー目標
エフピコグラビアは今後もさらなる省エネルギー化を目指し、蒸気駆動コンプレッサーの導入検討や、インキのハイソリッド化を進めている。また、再生可能エネルギー費比率を高めるため、太陽光発電の導入にも取り組む方針だ。これにより、環境負荷を更に軽減し、持続可能な企業として成長していくことを目指している。
エフピコグラビアは、色鮮やかな印刷フィルムの提供だけにとどまらず、環境への責任を果たす姿勢を伴って、製造業としての新たな可能性を切り拓いている。今後の取り組みに期待が寄せられる。