AI技術を駆使してデジタル化された『会社四季報』の過去記事

経済情報の宝庫『会社四季報』がAI技術でデジタル化

株式会社東洋経済新報社は、1936年に創刊された『会社四季報』の未電子化過去記事を、AI-OCRを専門とする株式会社モルフォAIソリューションズとの連携によりデジタル化することを発表しました。今回の取り組みは、1936年から1985年までの各社の記事データを対象とし、モルフォ社の独自のAI-OCR技術「FROG-AI-OCR」を活用しています。

企業の過去を読み解く新しい手法

今回のデジタル化は、特に戦前から戦後、高度経済成長期、さらにはバブル期にかけての『会社四季報』の記事が対象となっています。これまでデータとして入手が難しかったこれらの情報は、当時の記者による各企業に関する詳しいコメントを含んでおり、企業の深層分析が可能になることが期待されています。

具体的には、テキスト情報を基にした単語の出現頻度分析や、感情分析を行うことで、企業の経営状況や市場のトレンドを多角的に理解する手助けとなります。従来の定量データだけでは見えなかった企業の顔を浮かび上がらせることで、新たな研究の素材が提供されます。企業識別コードの付与やパネルデータの提供が可能となることで、時系列での企業動向分析や産業トレンドの変遷を追跡し、新しい知見の発見に寄与することでしょう。

データ販売の開始

興味深いことに、1960年から1985年にわたる累計137,716社分のデータ提供が既に始まっています。これに加えて、1936年から1959年までのデータも近日中に提供を開始する予定とのことです。このプロジェクトによって、研究者やビジネスパーソンには、過去の企業動向をつかむ貴重な情報源が与えられることになります。なぜこの時期のデータが重要なのか。それは、企業戦略はもちろん、経済全体の流れを理解するためには、その時代背景を知ることが不可欠だからです。

今後の展望

デジタル化された『会社四季報』の過去記事は、金融機関や大学などでの新たな研究の基盤となる見込みです。特に、企業分析やマーケットリサーチにおいて、その情報の価値は計り知れません。AI技術によるデジタル化が進む中、過去のデータをどのように活用し、未来のビジネスに活かすかが今後ますます重要になります。今後も東洋経済新報社とモルフォAIソリューションズの二社が折衷し、さらなる進展があることを期待しています。

デジタルならではの新たな発見が、あなたのビジネスに役立つかもしれません。ぜひ、注目のこのプロジェクトにご期待ください。