9bicの新体制1周年を祝う感動ライブ『9bic Anniversary Live ~iDREAM~』レポート

2023年8月10日、豊洲PITにて、メンズアイドルグループ9bicが『9bic Anniversary Live ~iDREAM~』を開催しました。「現在を生きる王子様達」というコンセプトのもと、新体制となってからの1年間を振り返る感動的な公演となりました。昨年6月1日より始まった新たなスタートから、彼らは途切れることなく進化を続けてきました。これを証明するかのように、今回のライブは彼らの成長をまざまざと見せるものとなりました。

夢を描く舞台、iDREAM

今回のライブのテーマは「アイドル×DREAM」。「アイドルとして見たい夢」と「寝ているときの夢」を重ねたWミーニングで、メンバーが自ら描く夢を余すところなく表現する場としました。オープニングの映像が流れる中、場内が明るく照らされると、iDREAM衣装に身を包んだ6人が華やかに登場します。リード曲「iDREAM」のイントロから、彼らのキラキラとした世界観が一気に広がり、その洗練されたダンスでオーディエンスを惹きこみました。

「Aaliyah」ではメンバー一人ひとりが観客に向かって声をかけ、続く「9bic melody」では、各々のキャラクターを生かしながら他己紹介を行います。歌詞には彼ら自身の特徴が色濃く反映され、メンバーの個性がより際立っていく様に会場は歓声で包まれました。さらに「中辛エクスタシー」では、椚三波斗が観客を煽り、西山海斗がダンスで魅了するなど、ステージ上の六者六様の個性が見て取れました。

この1年間の進化を如実に示すセットリストに乗せて披露された曲は、9bicの成長の証です。「とれたてロマンティック」では、その完成度の高さが際立ち、彼らの努力の痕跡を感じます。歌とダンスの力強さには、試行錯誤を重ねてきた日々の積み重ねが如実に現れていました。

家族の温かさを感じる演出

次に流れたのは、彼らが家族のように過ごしていることを描いたドラマ仕立てのVTR。続いてパフォーマンスされた「どたばたファミリー」では、お揃いのオーバーオール姿でファミリー感を漂わせながら楽しそうなステージを展開します。二段ベッドやテーブルを配したセットが家庭を彷彿とさせ、観客はその温かさに包まれます。

続く「ヒコウキグモ」は椚が手掛けた楽曲で、エネルギッシュなロックポップサウンドと易しいリリックが特徴です。シャボン玉が舞う中で、彼らの力強い歌声が響き渡ります。「make up!」では異なるニュアンスで彩られた6色の声が会場を満たし、しっかりとしたメッセージを観客に届ける姿勢が感じられました。「変わりゆく景色の中で変わらない思いを抱きながら、君の元へ会いに行く」というメッセージは、現代のプリンスとしての9bicの姿を象徴しています。

魅惑的なターンで盛り上がる会場

ライブはこれまでの可愛らしさを維持しつつも、次のクール＆セクシーな楽曲への転換を迎えます。サイケデリックな「creature」で魅惑的な表情を見せた後、妖しげな「狂気」では鋭い視線で観客を魅了します。加えて、黒澤胤也と矢野旺士朗のアクロバットや、西山と佐々木大河のダンスブレイクも披露され、オーディエンスを圧倒しました。

続いて、「君と僕、繋ぐ景色」のスペシャルアレンジでは、黒澤がピアノを、和泉颯人がギターを担当し、メンバーは言葉に込めた想いを胸に手を当てたり、目を閉じて真摯に歌い上げます。和泉の「今日の日を思い出して、夢の中で会おうね」という言葉の後に繋がったのは「という夢を見た」。ここでは、モチーフとして“可愛い”を取り入れた佐々木と、情熱的な歌声の矢野が見事に調和します。最後は「YELL!」でメンバーの歴史を振り返りながら力強い応援のメッセージが送られました。

アンコールでの感動

アンコールでは「ジーニアスター」を披露。メンバーが客席を回りながら楽しい雰囲気を醸し出し、無邪気に歌い踊る様子は、安堵感に満ちていました。その後、メモリアルな曲「僕はいつだってアイドルだ」で締めくくられます。柔らかさと強さを兼ね備えた歌声は、彼らがこの1年間を懸命に駆け抜け、成長してきたことを語っています。

このように『9bic Anniversary Live ~iDREAM~』は、彼らのすべてが注ぎ込まれたエモーショナルな一夜でした。彼らはこの経験を乗り越えて、「革新的なアイドル」になる夢を確実に実現していくことでしょう。