寿木けいの新作『わたしの美しい戦場』が発売!
著者・寿木けいさんの3年ぶりの書きおろしエッセイ『わたしの美しい戦場』が、2025年7月30日に新潮社から出版されることが決まりました。この作品は、著者が新たに宿泊施設としてオープンした、築130年の古民家「遠矢山房」を舞台に、食と人との深いつながりを描いています。
人生と食の深い関係
寿木さんは、さまざまな土地から訪れる人々との出会いを通じて、自らの人生をどのように開いていったのでしょうか。春にはふきのとうを摘み、夏には草を刈り、秋には柿を干し、冬には柚子を蒸す。四季折々の自然の恵みを通じて、彼女の生活や料理はどのように彩られ、どのように人をもてなすかが綴られています。
>「調理場にこもるのは鼻と舌が一番冴える明け方と決めている。」
という言葉からもわかるように、寿木さんの料理への情熱は並々ならぬもので、そのこだわりが彼女のエッセイには色濃く反映されています。科学的な手法で食材を扱い、完璧なタイミングで料理を仕上げる彼女の姿を想像すると、その情熱は読者にも伝わることでしょう。
多様な人々の多様な人生
本書の中には、様々な境遇にいる人々との出会いが描かれています。赤ちゃんを待つ人、不登校に悩む人、そして病気を克服した人々のエピソードが通じて、一見何気ない日常が素晴らしい人生であることを教えてくれます。「なんてことない顔をして、みんな大した人生を生きている」という一文には、心を打たれるものがあります。
季節が教えてくれるもの
寿木さんは、季節が巡る中での変化や、時間が心に与える影響についても語っています。「人生は思うほど険しくはないようで」との一節には、彼女自身の経験がしっかりと反映されていて、読者に優しく寄り添ってくれる内容になっています。モデルとなった自らの生活や、その背景にある考え方は、誰もが感じられる普遍性を持っています。
新たな挑戦と未来への期待
人生にはターニングポイントがあります。寿木さんが東京を離れ、土地の持つ魅力や暮らしの豊かさに目を向けた経緯を知ることで、読者もまた新たな挑戦を思い描くことができるでしょう。「しんどいときは、おもしろそうなほうへ」、この言葉が示すように、常に新しい世界に目を向ける姿勢は私たちに勇気を与えます。
このエッセイを手に取ることで、ただ読むだけでなく、寿木けいの豊かな生活哲学に触れることができるチャンスです。彼女の言葉を通して、日常の美しさや人生の深淵さについて感じてみてください。
著者:寿木けい
寿木けいさんは富山県出身のエッセイストで、編集者の経験を経て執筆活動を本格化。自身の宿「遠矢山房」を開業し、料理から室礼まで幅広く手がけています。その他の著書には『わたしのごちそう365』や『泣いてちゃごはんに遅れるよ』があります。彼女の作品が、多くの人々に愛されることを期待しています。