主婦作家が見せた新たな生き方
韓国のネット書店で『ブックオブザイヤー』を獲得したエッセイ『老後ひとり、暮らしています。』(イ・オクソン著)。この作品は、76歳の一般的な主婦が経験した人生の智慧とユーモアを元に書かれた一冊で、多くの女性読者から共感を呼び起こしています。著者イ・オクソン氏は、自身の人生経験を基に、「老後」とは何か、さらに「ひとり暮らし」の楽しさを力強く語りかけます。
人生最高の時を迎えた76歳
76歳という年齢は多くの人にとって、様々な制約や不安が付きまといます。しかし、彼女のエッセイには、その年齢を迎えたからこそ味わえた自由や楽しみが溢れています。「夫を亡くし、子供たちは独立した今、私は自分の時間をどう使おう」と考える彼女は、驚くほどアクティブな生活を送っています。公衆浴場に通い、週3回のヨガ、山登り、ジムでの運動、自転車での散策、そしてYouTubeでの学び。彼女の日常は、まさに充実したものです。このような姿勢に、他の年配者たちも希望を見出しているのです。
老後へのアドバイス
本書では、体調や孤独、経済的な不安といった老後の悩みに対する彼女の辛口アドバイスが展開されています。「待ち受ける人生の不安におののくことなかれ」という言葉は、全世代の人々に勇気を与え、人生を楽しむことの大切さを改めて問いかけます。著者のユーモアあふれる名言の数々も印象的で、例えば、「結婚相手を間違えて人生を無駄にする女性はいても、結婚しなかったからといって人生を無駄にする女性はいない」という慧眼を持つ言葉には、深い洞察が感じられます。
母娘対談の開催
著者のイ・オクソン氏は、近日中に日本に訪れ、娘のキム・ハナ氏との対談イベントも予定されています。「K-BOOKフェスティバル2025」では、彼女たちの生き方や考え方の変遷が語られる予定で、時代に合わせた女性の生き方についての深い対話が行われるでしょう。母娘それぞれが異なる時代背景の中での人生を共有し、どのように自分自身を豊かにしてきたかを伝える機会となります。
読書の喜びを改めて
『老後ひとり、暮らしています。』は、そのタイトルからも想起されるように、孤独を感じやすい老後世代に希望を与えるだけでなく、どんな人でも新しいことに挑戦し、楽しむことができるというメッセージを発信しています。その中で、著者も強調するのは「何歳になっても、自分のルーティンを持ち、自分を楽しませることの重要性」です。読書を通じて、共感や感動を得ることができるこの本は、老後を迎えるすべての人々に、また新しい出発を考えるきっかけを与えてくれる必携の一冊となることでしょう。
書誌情報
・タイトル:老後ひとり、暮らしています。
・著者:イ・オクソン
・出版日:2025年11月10日
・価格:1870円
・出版社:CEメディアハウス
この本は、単なるエッセイではなく、生活を豊かにする手法や、老齢期を生きる勇気を与えてくれる貴重な一冊であることを、ぜひ実感していただきたいです。