シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼』予告編解禁
映画館で楽しむ新しい形の歌舞伎、シネマ歌舞伎。最新作『歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼』が、来年の1月に公開される。2023年9月22日には、その予告編がついに解禁され、多くのファンの期待が高まっている。
本作は、劇団☆新感線で数々の名作を手掛けてきた脚本家・中島かずきさんと演出家・いのうえひでのりさんによる新作歌舞伎を映画化したものだ。特筆すべきは、松本幸四郎さんと尾上松也さんの2人が、それぞれ主演を務める「幸四郎版」と「松也版」の2バージョンが公開されることである。この大胆な試みは、歌舞伎ファンだけでなく、映画ファンにとっても見逃せないポイントだ。
悪の魅力がほとばしる予告編
予告編では、主人公ライが妖しい朧の森の魔物たちから与えられた力に翻弄され、欲望に取り憑かれた姿が描かれる。ライは、人々を騙し、底辺から王座を狙う狡猾な男だ。彼が成り上がるほどに、悪の深淵に堕ちていく様は目を引く。果たして、彼の行きつく先は栄華なのか、それとも破滅なのか。予告編は必見だ。
アクションに満ちた爽快な映像と、シェイクスピアの名作「リチャード三世」に触発された主人公の危険な魅力が伝わってくる。幸四郎さんが演じる「ライ」と松也さんが演じる「ライ」との間には、異なる風味があることも予告編で強調されている。歌舞伎俳優としてのキャリアをもつ幸四郎さんが、劇団☆新感線の舞台で築いた経験をどのように活かすのか、逆に松也さんの新鮮なアプローチがどれほど印象的か、期待が高まる。
上映情報と特別鑑賞券の販売
予告編は全部で5パターン用意されており、2023年9月26日から映画館で上映される。幸四郎版は2026年1月2日、松也版は同月23日に公開が予定されている。入場料金は一般2200円、学生や子どもが1500円となっており、特にお得な特別鑑賞券がムビチケカードとして1900円(税込)で入手可能だ。
この特別鑑賞券は、東劇や歌舞伎座などの上映映画館や、通販サイトでも販売されている。絵柄が異なる2種の券が用意されており、期間限定で販売される。また、両方のムビチケを同時に購入すると、特典としてポストカードがプレゼントされるというお得なシステムも用意されている。
作品のあらすじ
物語は、戦乱の世の中、深い《オボロの森》に住む男ライが、野良犬のように落武者の屍から金品を奪うところから始まる。そんな彼の前に現れた《オボロの魔物》は、深層に潜む欲望を引き出していく。魔物が与えた剣が彼を操り、彼は人を斬り、血の雨を降らせることになる。この出会いが、彼の破滅の始まりとなる。
そんな壮大なストーリーと共に予告編で紹介された映像美、そして豪華キャスト陣による演技は、歌舞伎の新たな魅力を感じさせてくれる。松本幸四郎さんや尾上松也さんをはじめ、多彩な演者によって展開される物語に、期待が高まるばかりだ。新たな歌舞伎の幕が開く瞬間を、どうぞお見逃しなく!