NTT Comとヤマハが共同開発したライブビューイング技術が未来のエンタメを切り開く
NTT Comとヤマハが共同開発した新技術 "GPAP over MoQ"
2025年5月28日に、NTTコミュニケーションズ株式会社（NTT Com）とヤマハ株式会社（ヤマハ）は、共同で開発した新しいライブビューイング技術 "GPAP over MoQ" の実証実験を行うと発表しました。この技術は、エンターテインメント業界における新たな可能性を切り開くことが期待されています。
エンタメ市場の拡大と課題
新型コロナウイルスの影響を受けたエンターテインメント業界ですが、今や音楽ライブ市場は急速に成長し、国内外のアーティストたちの公演も盛況です。そんな中、映画館でのライブビューイング市場も注目されています。この方式では、現地に行けないファンが大きなスクリーンでライブを楽しむことができるため、多くの人々に新たな体験をもたらしています。
ただし、従来のライブビューイングでは、衛星通信を利用したために高精細で低遅延の映像配信が難しいという課題もありました。本技術の開発は、こうした問題を解決することを目指しています。
"GPAP over MoQ" の技術的特長
"GPAP over MoQ" は、低遅延で映像や音声を双方向に配信できる独自のプロトコルです。これにより、観客は会場にいるかのような没入感を得ることができます。要点は以下の3つです。
1. 圧縮技術の向上: 音声や照明データなど、異なる情報に応じて最適な圧縮方式が適用され、最大90%のデータ圧縮が実現されます。
2. 安定したデータ転送: 独自のリアルタイムデータ復旧制御方式により、ネットワーク環境が不安定な場合でも音声や照明の制御異常を抑えられます。
3. 自動適応機能: ネットワークの状態に応じて映像や音声の品質を自動で調整し、常に最適な状態で配信されることが保証されています。
実証実験の詳細
実証実験はヤマハ銀座店内で行われ、ライブ演奏の模様が配信される予定です。この際、舞台装置の演出効果や、低遅延での双方向のコール&レスポンスが実証されます。メイン会場のデータはインターネットを経由し、サテライト会場に送信され、逆にサテライト会場の状況もリアルタイムでメイン会場に届けられます。
各社の役割
本実証における役割分担は、NTT Comが「MoQ」でのデータ転送技術を開発し、ヤマハは音や照明の制御信号を「GPAP」データに変換する技術の開発を担当します。
未来を見据えて
今後、NTT Comはこの新技術の国際標準化を目指し、2026年度中のサービス提供を視野に入れています。また、地方でもライブビューイングイベントを展開し、地域の文化振興を図る意向です。さらに、ヤマハもライブ市場への付加価値を提供し続け、新たなニーズの開発に挑戦する姿勢を見せています。
まとめ
"GPAP over MoQ" 技術は、これまでにないエンターテインメント体験を提供するものとして大きな注目を集めています。その実証実験の結果がどうなるのか、期待が高まる中、2025年の言及されるイベントにも注目です。エンターテインメントの未来は、まさにここにあります。
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