新潮ミステリー大賞に輝く「彼女の終幕」
8月5日、東京で行われた第十二回新潮ミステリー大賞の選考会にて、九能式尚(くのうしき・なお)さんの『彼女の終幕』が優秀賞に選ばれました。この大賞は、日本推理サスペンス大賞やホラーサスペンス大賞など、ミステリー小説の伝統を受け継いだ新たな名誉の証として2014年から始まり、多くの才能を輩出してきました。
選考会では、選考委員の湊かなえ氏と道尾秀介氏が共に作品の魅力を語りました。湊氏は「かなりのボリュームだったが、一気に読ませる力があった」と評価し、道尾氏も「物語に込められた強烈なメッセージが心に響いた」と絶賛。以上の理由から、「この作品を世に出さないわけにはいかない」と二人は一致しました。
『彼女の終幕』の概要
『彼女の終幕』は、主催者の月形源一郎教授が孤島で催眠実験を行う中、大学生である主人公と彼の友人キリカが体験する奇妙な事件を描いています。被験者9名と主催者3名の計12名が厳重なセキュリティに包まれた館で4日間を過ごす中、初日の夜には衝撃的な第一の殺人が発生します。
物語の中心は、キリカが探偵役に名乗りを上げ、主人公は大音量の音楽によって意識を失ってしまうという謎に包まれた事件です。果たして、厳重なセキュリティの中でどのようにして犯人は殺害を実行したのか。緊迫した状況と心理戦が繰り広げられるこの作品には、読者を引き込む様々なエッセンスが詰まっています。
作品の出版と今後の展望
『彼女の終幕』は、来春に新潮社から単行本として出版される予定で、贈賞式も同時期に開催されます。選考会での絶賛の声に応え、多くの読者に親しまれることが期待されています。また、最終候補作は東映での映像化が検討されており、未来の映像コンテンツとしても盛り上がりが見込まれています。
著者:九能式尚のプロフィール
九能式尚さんは1975年生まれで、現在埼玉県に在住する作家です。新潮ミステリー大賞を受賞することで、彼の名前と作品がより多くの人々に知られることになるのは間違いありません。今後のさらなる活躍が楽しみです。
著者がこれまでどのような経歴を持ち、どんなテーマで作品を描いていくのか、期待が高まります。《彼女の終幕》は、ミステリーのジャンルに新たな風を吹き込む作品として、その行く先を見守りたいものです。