KADOKAWA、2025年3月期通期決算を発表
株式会社KADOKAWAが2025年3月期の通期決算を5月8日に発表しました。今回は、サイバー攻撃による影響があったものの、売上高は前年同期比で7.7%増の2,779億円という結果を収めました。また、営業利益は9.8%減の167億円となり、純利益は35.1%減の74億円でした。このような減益の背景には、サイバー攻撃による減少幅が影響しており、具体的には売上高で83億円、営業利益で47億円という現実がありました。しかし、サイバー攻撃を除く試算では、売上高が11%増、営業利益は16%増となったことから、今後の成長が見込まれます。
各セグメントの実績
出版・IP創出セグメント
出版およびIP創出セグメントでは、新たに投資した人材の成果が実を結び、新規IPの数が増加しました。これにより、グループ全体の事業価値を拡大する取り組みが継続しています。ただし、国内の紙書籍ではサイバー攻撃の影響を受け、売上高が36.5億円減少し、市場縮小の影響もあって減収。これを救ったのが、電子書籍や海外からの書籍、ライセンス収入の成長で、結果的にこのセグメント全体で6.6%の成長を実現しました。利益面では、国内の紙書籍が影響を受けてしまい減益となりました。
アニメ・実写映像セグメント
アニメおよび実写映像セグメントは、増収増益を実現し、これで2期連続の過去最高の売上高および営業利益を達成しました。強力なラインナップを揃えたアニメが要因で、国内外向けの配信やゲーム・グッズへのライセンス収入が貢献。アニメ事業だけでなく、セグメント全体の業績を引っ張りました。
ゲームセグメント
ゲーム部門では、人気タイトル『ELDEN RING』の本編及びDLCによって、売上高と営業利益が大きく成長しました。
Webサービスセグメント
ウェブサービス部門はサイバー攻撃の影響を大きく受け、売上高が39.5億円、営業利益が21億円減少し、減収減益となりました。
教育・EdTechセグメント
教育およびEdTech関連では、バンタンやN/S高といった新たなスクールの展開が好調で、生徒数が増加し、成長が続いています。
その他のセグメント
その他のセグメントでは、施設運営事業などにおけるコストコントロールが奏功し、赤字幅が縮小しました。
2026年期の見通し
2026年3月期に関しては、全体として増収増益を目指しています。ゲーム部門は昨年の『ELDEN RING』による影響が一巡するものの、業績の向上を目指します。他のセグメントでは、特に出版・IP創出部門とアニメ・実写映像分野での成長が見込まれています。
まとめ
KADOKAWAは、IPの創出を通じて持続的な成長を追求しています。サイバー攻撃という逆境を乗り越え、グローバル・メディアミックス with Technologyという戦略のもと、質の高いコンテンツを提供し続ける姿勢が伺えます。今後の展開にますます期待が寄せられます。