ヒルマ・アフ・クリント特集
2025-03-06 09:38:17

異能の画家ヒルマ・アフ・クリントに迫る特集が『美術手帖』に登場

『美術手帖』2025年4月号特集: ヒルマ・アフ・クリント



2025年3月7日、株式会社美術出版社が発表する『美術手帖』2025年4月号では、スウェーデンの画家ヒルマ・アフ・クリントに関連した特集が展開されます。この特集は、18世紀後半に生まれたクリントの招へいを受け、彼女が描いた作品を通して「全宇宙」を理解しようとする試みを浮き彫りにします。

ヒルマ・アフ・クリントは、彼女の81年間の人生において、1000点以上の作品を創出しました。その作品群には、20世紀初頭に流行したスピリチュアリズムや宗教、科学の影響が色濃く反映されており、その計画性と体系性は非常に注目に値します。しかし、彼女の抽象表現は、同時代に名を馳せたヴァシリー・カンディンスキーやピート・モンドリアンの影に隠れてしまっており、最近までその評価が後手に回っていました。

クリントの魅力が再評価されるきっかけとして、2013年にストックホルム近代美術館での個展が挙げられます。この展覧会を皮切りに、クリントの作品は次第に関心を集め、2018-19年にはニューヨークのグッゲンハイム美術館で行われた回顧展が大盛況を博しました。特にこの展覧会では、約60万人もの来場者が記録され、彼女の作品が改めて高い評価を受けました。

日本では、ドキュメンタリー映画『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』が2022年に公開され、静かな話題を呼びました。これを受けて、東京国立近代美術館でも大規模な展覧会が実施されることが決定しており(2025年3月4日~6月15日)、美術ファンを湧かせています。

特集には、代表的な作品群や水彩画、ノートブックの解説が含まれ、さらに彼女の思想や作品がどのように宇宙や自然界の成り立ちを描いているのかを探る論考も掲載されます。また、芸術家の岡﨑乾二郎と本展キュレーターの三輪建仁による特別対談も行われ、クリントの重要性に対する新たな視点が提示される予定です。

他にも、アーティスト・インタビューとして、映像やインスタレーションを駆使してフェミニズムや権力構造に挑む作家の紹介もあります。ウェンデリン・ファン・オルデンボルフが日本で2度目となる個展を開いており、彼女の作品の背景や制作プロセスについて、キュレーターの原田美緒が話を聞きます。

『美術手帖』の特集は、ヒルマ・アフ・クリントという異能の画家の作品に深く浸透し、彼女が残した影響や思想を多角的に探求する内容となっています。

この特集を通じて、私たちは彼女の作品が何を伝えようとしているのか、そしてその背後にある「全宇宙」を理解する手がかりを見出すことでしょう。

興味を持たれた方は、ぜひ2025年4月号『美術手帖』をご覧ください。


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