東京書籍、教育分野に特化した生成AIの実証研究事業に採択

東京書籍、教育分野での生成AI実証研究へ新たな挑戦

東京書籍株式会社（以下「東京書籍」）が、文部科学省の「学びの充実など教育課題の解決に向けた教育分野特化の生成AI実証研究事業」において実証事業者として正式に採択されたことが発表されました。本取り組みは、教育界の多様なニーズに寄り添い、生成AIを活用した解決策を模索するための重要な一歩となります。

生成AIの活用がもたらす可能性

近年、教育現場では様々な課題が顕在化しています。外国にルーツを持つ子供やその保護者からの多言語対応の要望、さらに一人ひとりに適した学習プランを提供する必要性など、個々の学習ニーズに応じた支援が求められています。これに応えるための手段として、生成AIの導入が期待されています。しかし、汎用のモデルだけでは十分な実証が難しく、特化したデータを使用したモデルのチューニングや運用方法に関する検討が不可欠です。

本実証事業では、生成AIの活用可能性を整理しつつ、教育分野に特化したサービスの開発が進められます。この取り組みは、多様な学習スタイルに応じた個別最適な支援を実現することを目指しています。

東京書籍の具体的なプロジェクト

東京書籍は、本事業において「教科書データ活用基盤の構築による学習サービスの品質向上」をテーマに実証研究を進める予定です。具体的には、公的かつ信頼性の高い教育コンテンツである教科書を生成AIが理解できる形に変換し、AI時代に適した新たな教育のインフラを整備します。さらに、様々なAIサービスと連携できる接続基盤を構築することで、教育界全体に信頼性の高い情報が流通する環境を作り出します。対象となる教科は中学校の社会、数学、理科、英語の4教科に焦点を当てており、教育の質を向上させることを目指しています。

教育DXの未来に向けた展望

今回の採択は、東京書籍が推進する教育DX（デジタルトランスフォーメーション）における重要なステップです。生成AIを安全かつ効果的に教育現場に導入することで、より良い学びの環境を提供するための基盤が整います。また、実証研究で得られる技術や知見を活用することで、教科書と生成AIの連携が実現し、全国の教育機関やEdTech業界と連携しながら、それを広めることも視野に入れています。

さらに、構築された基盤を活かし、授業支援や個別学習サービス、特別支援教育や多言語対応の教育サービスなども展開する予定です。これによって、「誰一人取り残さない学び」を実現し、日本の教育全体のデジタルトランスフォーメーションを強力に後押しすることにもつながります。

東京書籍について

東京書籍は1909年に設立され、「教育と文化を通じて人づくり」を理念に、小・中・高等学校の教科書を中心に日本の教育を支えてきました。また、近年は教育DXの推進にも力を入れており、ICT教材や評価テストなどの新しいサービスも展開しています。大阪・関西万博では、「Own Education, Own Life. ～誰もが自由に学び、教え、健やかに生きる社会～」というテーマの下、未来の学びの形を提案するプレミアムパートナーとしても活動しています。

詳しくは、東京書籍の公式ウェブサイトを訪れてみてください。公式ウェブサイトはこちら。