赤神諒の最新作が受賞!
作家・赤神諒氏の新作小説『碧血の碑(へっけつのいしぶみ)』が、第13回野村胡堂文学賞を受賞しました。この賞は、歴史小説の巨星である野村胡堂氏を記念して設立されたもので、特に優れた時代小説に焦点を当てています。受賞の決定は2025年10月9日に行われ、どのようにしてこの名誉ある栄冠が赤神氏に授けられたのか、作品の魅力に迫ります。
受賞作品『碧血の碑』の概要
『碧血の碑』は、激動の幕末を舞台に、「歴史の敗者たち」の物語に焦点を当てた小説集です。物語は、時代を超えて語り継がれる人々の思いと、その思いが宿る場所をテーマにしています。特に、初めに設定された京都の三条大橋が印象的な第一話「七分咲き」では、京都市のアートプロジェクト「器」とのコラボレーションが実現し、作品がより一層の深みを持っています。また、第二話「蛟竜逝キテ」では、福井市の名所である養浩館で、俳優の榎木孝明氏による朗読会が行われ、読者が物語の世界を体感できる試みが充実しています。
各話の魅力
作品の中には様々な物語が収められており、幕末の歴史的事件や、登場人物たちの人間ドラマが色濃く描かれています。たとえば、「七分咲き」では、近藤勇の命を受けた沖田総司が医師の娘との近しい関係を築きながら、恋と任務との板挟みに苦しむ様子が描かれています。
また、「蛟竜逝キテ」では、福井藩の藩士・橋本左内が初めて会う松平慶永の前で飛び込んだ池が物語の転換点となります。夭折の志士たちの秘密が語られ、読み手を引き込む力があります。
さらに、「セ・シ・ボン」では、若きフランス人技師ヴェルニーが横須賀を訪れ、サムライ小栗上野介との友情を築く様子が描かれ、異国文化の交流が描写されています。
受賞の意義と今後の展望
赤神氏は、2008年にデビュー以来、数々の受賞歴を持ちつつ、特に日本の歴史や文化を深く掘り下げた作品で多くの読者から支持を受けています。本作『碧血の碑』は、その集大成とも言える作品であり、これからも多くのファンに愛され続けることでしょう。2027年に放送予定の大河ドラマ「逆賊の幕臣」に登場する小栗上野介にフォーカスした第四話も注目されています。
この機会に、ぜひ『碧血の碑』を手に取って、彼の繊細で情熱的な筆致を感じ取ってください。受賞の喜びを感じると共に、歴史の深淵を覗く旅をお楽しみいただければと思います。
書籍情報
- - 書名: 碧血の碑(へっけつのいしぶみ)
- - 著者: 赤神 諒
- - 定価: 1,980円(税込)
- - 発売日: 2024年10月9日
- - 出版社: 小学館
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