被爆樹木の未来
2025-06-16 10:50:45

被爆樹木が語る戦争の記憶と未来の希望、最新刊が登場

被爆樹木が語る戦争の記憶



広島市で、被爆樹木がその存在を通して戦争の記憶を伝え続けています。この度、2015年に刊行された書籍『広島の木に会いにいく被爆樹木が見る未来』が改訂版として2025年6月23日に発売されることが発表されました。このノンフィクションは、著者である石田優子さんを中心に、被爆樹木の治療に携わる樹木医、堀口力さんの活動や、被爆体験者の証言を通じて、戦争の悲劇とその後の希望の物語を描いています。

被爆樹木とは



1945年8月6日、広島に投下された原爆により、多くの命が失われ、緑豊かだった広島の街も大きな被害を受けました。しかし、その後、約159本の樹木が原爆を生き延び「被爆樹木」として市に登録されました。これらの木々は、樹木医による観察と治療を受けながら、広島の街を見守り続けています。特に、高齢化が進む被爆者たちの声を次の世代へと伝える役割が期待されており、ますますその重要性が増しています。

本書では、堀口力さんを中心に、被爆証言を持つ方々や、過去に広島の樹木をスケッチした大学生、さらには被爆樹木が爆心地に向かって傾いている理由を研究した方々への取材を交えて、これらの木々を通じて戦争の記憶をどのように未来へ繋いでいくことができるのかを模索しています。

書籍の内容



改訂された本書では、特に注目される点として、2015年に瀕死の状態だったソメイヨシノの現在の様子が紹介されます。被爆樹木は過酷な環境の中でもその存在を示し、多くの人々に希望を与えてきました。著者の石田さんによると、被爆体験者の中には、木の新芽を見て絶望から解放され、「生きる力」をもらったという証言もあり、被爆樹木は今や戦争の記憶を伝える「語り部」としての役割を果たしていると語っています。

巻末には被爆樹木マップも掲載されており、訪れる人々がそれぞれの木に触れ、思いを馳せることができるようになっています。これにより、子どもたちが原爆や命の尊さについて考える良いきっかけが得られることを願っています。

教育的な価値



広島での被爆樹木は、ただの木ではなく、戦争の悲惨さを物語る重要な存在です。これらの木は、現代においても多くの人々にとって非常に重要な体験を想起させ、未来の世代にその教訓を伝える役目を果たしています。近年、広島の街を訪れる人々は増えており、本書はその訪問の際に手に取り、考えを深める一冊となるでしょう。

講演会情報



著者の石田優子さんと樹木医の堀口力さんが、広島市植物公園にて講演会を行います。特に石田さんは、被爆樹木に関する映像取材を続けており、詳細情報は公式サイトにて確認できます。参加希望者は先着順なのでお早めに申し込みを。

新たに発売される『新版 広島の木に会いにいく被爆樹木が見る未来』は、広島の歴史とその教訓を次の世代に継承するための貴重な資料となることでしょう。ぜひ多くの方に手に取っていただき、被爆樹木が秘める物語に触れていただきたいと思います。


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