バレエ映画の新しい風景
2023年9月19日(金)から公開されるロイヤル・バレエの『バレエ・トゥ・ブロードウェイ』。今回のハイライトは若手プリンシパルのカルヴィン・リチャードソンによる振付家クリストファー・ウィールドンの作品『トゥー・オブ・アス(ふたり)』で、特に彼のダンスに多くの注目が集まっています。アーティストとしての成長を遂げたカルヴィンは、その踊りと共に様々な感情を表現しています。
プリンシパルとしての新たな挑戦
昨年、プリンシパルに昇進したカルヴィンは、様々な役柄を通じて独自のスタイルを確立しつつあります。特に『ロミオとジュリエット』のロミオや『シンデレラ』の王子など、周囲から期待される役を次々とこなしてきました。彼は、舞台上でのパートナーとの信頼関係を最も重視し、観客に安心感を与えることが自分の使命だと語ります。
振付の美しさと音楽の力
『トゥー・オブ・アス』では、ジョニ・ミッチェルの名曲を背景にして、ローレン・カスバートソンとのデュエットで踊ります。ジョニ・ミッチェルの音楽に触れたとき、彼は自身がダンスをする喜びを感じたと述懐。その中でクリストファー・ウィールドンの持つ創造性に魅了されていると語りました。
「ダンスで言葉にできないことを表現するのがこの作品の魅力」と話すカルヴィンは、観客との絆を大切にしています。
性格の違う登場人物たちとの対話
カルヴィンとローレンのソロでは、それぞれのキャラクターの視点を大切にしています。例えば、ローレンが夏の花々をテーマに踊るのに対し、カルヴィンは冬の紅葉を描いており、季節ごとの美しさを通して相互の解釈を探求します。
映画館でのパフォーマンスの新たな体験
映画館での上演は、舞台とは異なるエネルギーを生み出します。カルヴィンは、「世界中の観客が観ているという意識が、エキサイティングな雰囲気を醸し出す」と語り、映画を通じた舞台芸術の新しい可能性を感じています。「自分らしさを表現しながら観客と一緒に創り上げる、そんな経験ができた」と彼は笑顔でコメントしました。
バレエと個人的なつながり
バレエの役柄は時代を超えて心の奥に響くような部分があり、カルヴィンは特に『ロミオとジュリエット』において特別な感慨を抱きました。自身のダンス人生やパフォーマンスを通じて、観客と共感しあえる瞬間に喜びを見いだしています。
新シーズンに向けた期待
今後のシーズンでは、カルヴィンは高田茜、佐々木万璃子といった日本人バレリーナとの共演も予定しています。彼は彼女たちとのパフォーマンスを心待ちにしており、これからの新たな挑戦に情熱を燃やしています。
日本のアニメと文化への愛
プライベートでは、日本のアニメにも夢中で、その影響が彼の創造力にも活かされていることがうかがえます。彼は「アニメを通じて日本文化に触れ、自分がリラックスできる瞬間を楽しんでいる」と話します。
日本のファンへの感謝のメッセージも忘れないカルヴィン。彼にとって、日本の観客との絆は特別なものです。「また皆さんと共に踊れる日を楽しみにしています」と笑顔で締めくくりました。
『バレエ・トゥ・ブロードウェイ』でのパフォーマンスは、彼の成長と芸術性を見逃せない瞬間であることに間違いないでしょう。新しい風を感じさせてくれる彼の舞台は、今後もますます目が離せません。