垂秀夫氏の新刊『日中外交秘録』が話題に
元駐中国大使である垂秀夫氏の回顧録『日中外交秘録垂秀夫駐中国大使の闘い』が、2025年6月11日にリリースされました。本書は、中国共産党から恐れられている外交官の実像を明かす内容で、彼の外交官としての足跡が赤裸々に記されています。
垂氏は、日本の外交が「やられっぱなし」と見られるが、実際は異なる状況を展開しており、特に彼の外交活動は注目に値します。彼自身が得た機密情報やタフな姿勢、独自のネットワークを駆使して、重要な情報を収集し続けました。また、彼は中国政府から「スパイ」と名指しで批判されるなど、数々の危険な状況に直面したこともあります。
垂秀夫氏の卓越した戦略眼
彼の特徴は、ただ情報を得るだけでなく、その情報を的確に分析する力にあります。習近平体制の本質を突いた視点から、彼は中国社会の内情や弱点を浮かび上がらせ、どのように対峙すべきかの戦略を提示しています。本書には、中国の「戦狼外交」に対する彼の揺るぎない姿勢や、その対策が詳述されています。
特に、改革派知識人たちとの支援活動についての言及は、読者に深い感銘を与えます。彼は自身の信念に基づき、改革派に対する支援を惜しまず、条件が厳しい中でも信念を持ち続ける姿勢が目立ちます。このような外交は、決して簡単にできるものではなく、彼の卓越した知識と経験があるからこそ成り立つものです。
垂秀夫氏の背景と人生
大阪下町で育った垂秀夫は、元々は自堕落な学生生活を送っていたものの、外交官という目標を持ち、猛勉強の末に外交官試験を突破しました。入省当初は「端牌」とされていたものの、その独自のアプローチが彼を著名な存在へと押し上げたのです。
彼が言う通り「これからは好きなことだけやろう」と開き直った結果、自分の足で情報を取りに行き、その姿勢が成功をもたらしました。
読者へのメッセージ
本書は、ただの外交秘録ではなく、中国との関係をどう構築していくべきか、新たな視点を提供する貴重な資料です。歴史に恥じない外交をしようという信念の下、彼の生き方や奮闘を綴った本書は、今後の外交にとって大きな教訓となるでしょう。詰まった情報と洞察を詰め込んだ作りは、読者にとっても発見が多い一冊となること確実です。中国との難しい関係を考える上で、大いにインスピレーションとなるでしょう。
書誌情報
- - 著者: 垂秀夫
- - 発売日: 2025年6月11日
- - 定価: 2,750円(税込)
- - ISBN: 978-4-16-391987-4
- - 書誌URL: 文藝春秋書籍
この新たな外交秘録が、日本と中国との関係をどう変化させるのか、大いに注目されるところです。