日本の爬虫類の定番図鑑が進化
日本の爬虫類ファンに長年愛されていた『山溪ハンディ図鑑 日本のカメ・トカゲ・ヘビ』が、この度第3版としてリニューアルされました。株式会社山と溪谷社が発行するこの図鑑は、最新の研究成果を反映した内容で、国内に生息する爬虫類を詳しく紹介しています。特に、カメ、トカゲ、ヘビの114種類が網羅されており、各種の分類や分布状況が詳細にわかります。
新たに追加された種
新版では、近年新たに発見された爬虫類の数々が加わりました。注目すべきは、ヤンバルトカゲモドキ、アマミヒメトカゲ、オキナワメトカゲ、そしてヨウリンウミヘビなどです。これにより、爬虫類に関する知識がより深まり、日本の自然環境におけるそれぞれの種の役割や生態についても理解を深めることができるでしょう。
最新の知見を取り入れたコラム
また、図鑑には、爬虫類を取り巻く興味深いトピックに関するコラムが多数追加されています。「巨大ハブもリクガメもいた宮古島」や「気候の温暖化で海洋生爬虫類の分布が変わる?」といった記事は、日常生活でも関心を持っているテーマであり、読者の興味を引くことでしょう。さらに、「希少野生動植物種とは?」といったテーマも扱われており、環境保護についても考えるきっかけとなります。
美しいビジュアルと使い勝手
本書は美しい白バック写真を多数使用し、分かりやすい構成で、フィールドワークに連れて行くのにも最適です。特に、色彩変異の紹介は、野外で識別が難しい様々な爬虫類を見分ける手助けとなることでしょう。
爬虫類の分類と生息地
この図鑑には、カメ類、トカゲ類、ヘビ類それぞれについての詳細な情報も掲載されています。
カメ
カメに関する章では、それぞれのグループに分けられた生物の特徴や生息地が解説されています。カメは日本の生態系において重要な役割を果たしています。特にイシガメ科、ヌマガメ科、スッポン科など、細かく分類された情報は、学びを深める助けになります。
トカゲ
トカゲに関しても豊富な情報が収められています。北部琉球や南部琉球などの地域ごとの分布地図もあり、地域による生態の違いを学ぶことができます。
ヘビ
ヘビには独特な魅力がありますが、本書では北海道から南部琉球までの分布が詳しく描かれており、地域独特の種を知ることができます。また、ウミヘビについての情報も含まれており、海と陸の両方の爬虫類を一冊で学ぶことができます。
監修者のプロフィール
この図鑑の監修を務めるのは、写真家の松橋利光氏と爬虫類研究家の富田京一氏です。松橋氏は両生類や爬虫類を専門にした作品を数多く手掛けており、富田氏は爬虫類と恐竜に関する豊富な知識を持つ専門家として知られています。
終わりに
毎年進化を続ける爬虫類の知識に触れられるこの図鑑は、専門家だけでなく一般の方にもおすすめです。爬虫類に興味を持つ方や、自然環境の大切さに気づいてほしい方には、ぜひ手に取ってほしい一冊です。発行は2025年6月17日予定で、希望小売価格は3300円です。